「矛盾だらけ」の頭の固い人を変える交渉テク 力ずくで押してもかえってガードが固まるだけ

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力ずくで押すのはNG(写真:master1305/PIXTA)
頭の固い上司、なかなか首を縦に振らないクライアント……。人の考えを変えるのはとても難しいことだ。しかし、プロの人質交渉人は、その交渉術によって凶悪犯の心ですらも動かす。そんな人質交渉人のテクニックや人間の心理などについて科学的に研究してきた大学教授、ジョーナ・バーガー氏によると、人の心を変えるには、「力ずくで押すのではなく、変化を妨げる障壁を取り除き、ハードルを下げる」ことが大切だという。
ビジネスにもプライベートにも応用できる“人の心を変える方法”について聞いた。
※本稿は『THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術』より一部抜粋・編集したものです

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メニューを提供する、命令ではなく質問をするというテクニックには、相手をコントロールするという印象を取り除く効果がある。しかし、相手が自分で納得するように持っていく方法はほかにもある。それは「ギャップを明確にする」というテクニックだ。

ある人物の思考と行動の間に矛盾があることや、自分が他人にすすめることと、自分が実際にやっていることが違うと指摘する、という方法をとる。

「火を貸してもらえませんか?」

これはたばこを吸う人なら、少なくとも一度は言われたことのあるセリフだろう。喫煙者同士の連帯の言葉でもある。エレベーターのドアを開けておいてくれるように頼むのと同じようなものだ。たいていの喫煙者は、こう言われれば喜んで応じる。

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