志尊淳が発症した「心筋炎」の知られざる恐怖 風邪と似た症状、新型コロナが引き起こす事も

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俳優の志尊淳さんが4月13日、ツイッターで退院を報告した「急性心筋炎」とは? 写真は2018年1月ソフトバンクの記者発表会にて(写真:Pimages/amanaimages)

急性心筋炎で入院治療をしていた俳優の志尊淳さんの退院が報告された。報道によれば、当初は普通の風邪だと思っていたが、次第に呼吸の苦しさや胸の痛みに発展して受診。その時点で心不全(心臓の機能低下から起きる全身のさまざまな不調状態)に陥っており、数日間の集中治療室(ICU)治療によって事なきを得たという。

志尊さんが3月23日に発症と休養治療を発表されてから、予定どおりきっちり3週間で復帰したと聞いて、ひとまずほっとした。第一報を耳にしたときに3つのことを思ったからだ。

「コロナじゃないのか?」

「受診が間に合い、適切に診断がつけられてよかった」

「経過はどうか。後遺症は大丈夫だろうか……」

これまであまり知られてこなかった心筋炎について、3つの気がかりを確認しておきたい。

新型コロナ回復後に「心筋炎」を発症する例

まず昨今の状況であれば、「心筋炎」と聞いて「新型コロナの合併症か?」と結びつける医療者は少なくないと思う。新型コロナも、心筋炎を引き起こすウイルスの一種だからだ。

心筋炎は、文字どおり心臓の筋肉の炎症だ。主な原因は、さまざまな病原体への感染と考えられている。ただ、実際の診療の中では、炎症は確認されてもその原因まで特定するのは非常に難しく、状況証拠や経験に基づいて多くはウイルス性と想定される。

実際、新型コロナに感染・発症した30代後半の知人は、PCR陰性となり、熱が下がり、呼吸器の症状が収まった後、肝臓、腎臓、心臓と、次々に合併症を経験して、回復までに1カ月以上を要した。

新型コロナ後に心筋炎を発症する例が、世界中で相次いでいる。

世界5大医学誌の1つ『The Lancet』では今月、新型コロナの治療終盤~回復後に重症心筋炎を発症した9例について、英国から報告があった。

患者9人中7人は男性で、平均年齢は36歳。心筋炎の治療開始から20日以内に採取された血液を調べると、7人で新型コロナの抗体が検出された。

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