「値段のない料理店」の店員がやたら前向きな訳

飲食店の未来は「サステナブル」が武器になる

横浜のとあるレストランは、ランチもディナーも食事の後、価格は客が決めます。奇をてらったかのような運営スタイルの背景に迫りました(編集部撮影)
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店内に足を踏み入れると、大きなガラス張りの窓からは横浜港を一望できる。横浜市のホテル35階に店を構える「KITCHEN MANE」は、ランチメニューもディナーメニューも、なんと店側が提示する値段がない。

価格はお客様が決めてください

渡されるランチメニューには価格表示がない(編集部撮影)

「この鮮魚の煮付けは、定置網にたまたま引っかかった未利用魚を使っています。本来は売り物にならないのですが、少しでも収益になるよう三重県二木島の漁師さんから毎日仕入れています」

若いスタッフが、たどたどしくも丁寧に、食料問題の説明を交えながらランチメニューを紹介する。今年1月から始めたというランチのコンセプトは「食のサステナビリティ」だ。

“エシカルな消費”がトレンドになりつつある昨今、環境や社会、経済の3つの観点から世の中を持続可能にしていくという考え方「サステナビリティ」を掲げるレストランやカフェを街で見つけることは難しくないだろう。開放感に満ちたロケーションを抜きにすれば、ここもよくあるその手のレストランかな……と思っていたら、意外な“裏切り”にあう。ランチリストに「値段」が一切書かれていないのだ。

「お腹を満たすだけでなく、食や環境の問題の学びを持って帰ってほしい。その思いから、当店はランチの値段をお客様にお決めいただくシステムになっております」

一見、奇をてらったかのような「値札のないランチ」。レストラン運営会社の「イノベーションデザイン」は、飲食・ブライダル業のほかホテル・旅館の再生を請け負うコンサルティング事業を営んでいる。

コンサルティング事業が安定しているから「サステナビリティ」を打ち出してみる、値札をつけないといった“遊び”ができるのだろうか。そう思いきや、代表の石関太朗氏は「いや、とんでもない! 2020年初めに、すでに資金が底をつきそうな状況を経験していますよ」と言う。

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