コロナ危機後「世界秩序」気になる日本の存在感

秩序形成に加わるにはどうしたらいいのか

新型コロナ危機後の世界秩序の形成に日本が加わるにはどうしたらいいのか(写真:Bloomberg)

新型コロナウイルスなどの感染症危機管理の戦場は、国内だけではない。主要各国は、危機後の国際秩序を構想する特権的会合に有能な個人を送り込むことに加え、各政府も自らの利益にかなう国際秩序を構想・構築すべく、活発な外交活動を展開している。こうした中で、日本が自らの存在感を発揮するためにできることは何なのか。

戦後秩序を「構想」できる力があるか

前回(「国際機関の重要会議に日本人が入りにくい事情」)では、独立検証パネル(IPPPR)と国際保健規則(IHR)検証委員会の2つ会議が両輪となり、国際社会におけるこれまでの新型コロナ危機対応を検証し、感染症危機に関する新たな国際秩序を構想しており、そこには国際社会で認められた個人しか参画できないことを紹介した。

2つの会議が構想した戦後秩序の内容は、5月の世界保健機関(WHO)総会で提起され、加盟国により採択される見通しだが、拒否されることもありうる。すなわち、同会議に参画する個人は、秩序を「構想する」権限を持つという点で非常に重要だが、構想された秩序を「構築する」か否かを決定する権限は、あくまで主権国家にある。

つまり、国際秩序を「構築する」という実行面まで力を及ぼすことができる国家が戦後秩序を「構想する」能力を持っているかが、国際社会の特権的会合に参加しうる個人を養成することと同等以上に重要なのだ。

IPPPRとIHR検証委員会と並行して、自国の利益にかなう戦後秩序を独自に構想し、構築すべく、精力的に動いている。

特に動きが活発なのは、ドイツとフランスを始めとするヨーロッパ勢だ。例えば、昨年4月24日、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長と、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、WHOとともに、新型コロナウイルス感染症の診断薬や治療薬、ワクチンの研究開発・製造・平等なアクセスを促進するための国際協調メカニズム「ACTアクセラレーター」を設立した。

WHOがパンデミック宣言を行った3月11日からわずか1カ月半しか経っておらず、依然各国が国内の危機対応に汲々としている段階での出来事である。ACTアクセラレーターのワクチン部門で、新型コロナワクチンを平等に分配する事業「COVAXファシリティ」は、今年2月24日のガーナを皮切りに、世界中に次々と新型コロナワクチンを届けている。

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