国際機関の重要会議に日本人が入りにくい事情

感染症危機後の秩序形成にも重要な役割果たす

戦後秩序を左右する国際機関などの重要会議に日本人が入るにはどうしたらいいのか(写真:Stefan Wermuth/Bloomberg)

1945年2月。米ソとのヤルタ会談に臨む時のイギリス首相、ウィンストン・チャーチル。「戦後ヨーロッパの全体像と構造が、ぜひとも再検討されねばならなかった。(中略)軍事目的が達成された後、世界の将来の平和とよき統治のために、3大連合国はいかなる方法といかなる組織を提供し得るか?」

第二次世界大戦後の国際秩序は、安全保障理事会を中心とする国連システムが重要な役割を担っている。そのありようを構想したのは、英米ソ中の4カ国によるダンバートン・オークス会議と、英米ソの3カ国によるヤルタ会談という2つの会議である。

感染症危機におけるターニングポイント

戦後秩序の構想は、戦時中から着手される。しかもそれは、往々にして少数の力ある者によって構想される。これはスケールこそ違い、感染症危機についても当てはまる。危機の最中から、危機後の国際秩序の構想が行われている。

国際的な感染症危機が発生した際には、既存の国際システムにおける欠陥が指摘され、より安全な世界を構築すべく、危機後の国際秩序の形成をめぐって各国の駆け引きが繰り広げられるのだ。こうした中で、日本はどれだけの存在感を示せているのだろうか。

その前に、感染症危機に関する国際秩序を形作ってきたターニングポイントを振り返ってみよう。これまでターニングポイントとなったのは、2003年のSARS 、2009年の新型インフルエンザA(H1N1)パンデミック、そして2014年の西アフリカを発生源とするエボラ出血熱、の3つで、それぞれ既存システムの欠陥が指摘・是正されてきた。

SARSアウトブレイクでは、当初中国が未知の感染症の発生情報を隠蔽し、WHOなどへの情報伝達が遅れたことが世界的な被害拡大の一因となった。これを受け、WHOの加盟国は、感染症などによる国際的な公衆衛生危機に対応するための情報共有などを定めた「国際保健規則(IHR)」を2005年に大幅に改訂。IHRは、「国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止すること」を目的とし、法的拘束力を有している。

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