日韓関係が何度でも最悪になる「本質的要因」 何度謝っても終わらない日韓関係の深い溝
徴用工問題に関する韓国大法院の判決、日本側の輸出管理強化措置、韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する通告――。日韓の関係悪化が安全保障関係にも波及し、貿易・投資関係も縮小している。
日韓の間の信頼関係の喪失、出口なき関係悪化に対し、両国は成すすべがないのか? 日米経済摩擦、日米安保協力・基地返還、北朝鮮外交――交渉によって「不可能」を可能にした、日本外交きっての戦略家・田中均さんが、情勢を見るための“正確な眼”を伝授する。
※本稿は、田中均著『見えない戦争 インビジブルウォー』(中公新書ラクレ)の一部を、再編集したものです。
反日意識はいつまで続くのか
戦後の日本は平和主義に徹し、世代も変わった。それなのになぜ、韓国は過去の歴史にこだわり続けるのか、日本は何回謝ればよいのか、韓国の反日意識は未来永劫続くのではないか。そう感じている日本人は少なくないだろう。
その背景に、韓国が日本に対して抱き続ける「恨」の意識があることは前回記事で詳しく述べた。
慰安婦問題をきっかけとし、その後、徴用工問題について韓国大法院が日韓基本条約とは相いれない判決を下したことや、自衛隊艦船に対するレーダー照射などに対する日本側の反発は強い。半導体材料に関する日本側の輸出管理強化措置は報復措置ではないと説明されるが、韓国は政治的理由による措置だと断じる。議論は今後WTOなど国際機関の場に移るのだろうが、簡単に事態が収束していくわけではない。
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