「それだけ現代人は、自分が丁寧であることを示したいと思っているし、対人配慮に心を砕いている」とのことですが、これは、日ごろ「社長や役員の家庭教師」として、コミュニケーションのコーチングをしている私も日々実感しています。
「『話し方で大損している』と感じる人の三大口癖」の記事の中でも紹介したように、今、日本は「~と思います」「~させていただきます」の「ハイパーインフレ」状態といえます。
日本人は「体」にも「過剰包装」が染み付いている
例えばプレゼンを始める前には、多くの人が次のような話し方をします。
・「早速、始めさせていただきたいと思っております」
・「内容でございますが、〇〇についてご説明させていただいた後に、××についてお話を差し上げさせていただきたいと思います」
「お話します」「始めます」「説明します」だけで何ら問題ないのに、なぜか「余剰な言葉」がたくさんまとわりついてくるのです。
私の知人が「言葉の過剰包装」と形容していましたが、とりあえず下手に出ておけば、事を荒立てずに済むという「問題回避志向」や他者に合わせておこうという「同調圧力のあらわれ」という側面もあるように感じます。
こうした「言葉の過剰包装」は、よそよそしさを生み、コミュニケーションの相手との間に距離を作ってしまうと同時に、歯切れが悪く、まどろっこしくなります。
ですので、リーダーシップや強さを示したい場面では、なるべく使わないようにとアドバイスしているのですが、油汚れのようにしつこくまとわりついてなかなか取れません。
日本人の「過剰包装」は、実は「ラッピング」や「言葉」だけではなく「体」にも染み付いているといえるのです。
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