ビールが飲める本屋「B&B」大盛況の秘密 アマゾンには絶対まねできない体験を提供する

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「正しいことをしたかったら、利益を出しなさい」

書籍販売以外で利益を出せるようになったことが、書籍販売にも好循環を生み出します。内沼さんは、書籍のセレクトに関して、強いこだわりを持っています。

「世界中の、さまざまな物事について本が出版されているので、書店に行って棚を眺めることは、いわばいちばん身近な『世界一周旅行』です。私たちの『B&B』は小さい店ですが、限られた棚の中で、あらゆる角度からお客様の知的好奇心を刺激する、広い世界との出会いを作り出すように、スタッフ全員で選書をしています。

ほぼ本の売り上げだけに依存している一般的な書店は、収益を上げるためにジャンルごとの売り上げを比較して、売れるジャンルの棚を増やし、売れないジャンルの棚を減らしていく。たとえば外国文学の棚などは、その論理で全国の書店から減る一方なのですが、僕たちは棚で表現できる世界が狭くなっていく事態こそが、書店にとって致命的だと考えています。逆説的ですが、書店にとって大事なものを守るためには、本以外のモノも含めた、複数の収益源をバランスよく持つことが必要なのです」

ベストセラーに偏りがちなほかの書店とは異なり、「B&B」の本棚には、あまり一般書店では見ないようなユニークな本もテーマ別に編集されています。

「棚作りに2倍の時間をかけても、残念ながら、いきなり2倍の売り上げが上がるわけではありません。僕たちは複数の収入源を持っている分、棚作りに時間をかけられる。その結果、ユニークな品ぞろえをしている書店があるといううわさが広まり、それを聞きつけて、全国から人がやって来てくださるようになってきたのです」

これはとても面白い現象です。書店は一部を除き、自分たちで独自に売り物である本を作れるわけではありません。そのため、本をセレクトし、棚を編集する力が問われているのですが、収益的に厳しくなると、どうしても編集にかけられる時間が減り、売れるベストセラー本ばかり仕入れようとしがちです。その結果、各書店に並ぶ本はどんどん同質化していくのです。

そんな中にあって、「B&B」はますます個性を発揮して、ネットの本好きコミュニティの間でも話題になっていきます。ファンのコミュニティが存在し、かつ流通構造が固定化されている業界にあっては、このような現象が起こる可能性は十分あると考えられます。

売り上げや利益を求めないからこそ、逆に売り上げにつながるというのも皮肉な話です。これも、ほかに収益の柱があり、経済的自由があるから、本当にお客様のためになる書籍の仕入れができるのです。ビジネスである以上、「正しいことをしたかったら、利益を出さなければならない」のは、変わりません。

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