「食べてストレス解消する人」に伝えたい脱出法 カギは「自己肯定感」にあった!

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そもそも自己肯定感とは、「6つの感」によって支えられています。すなわち「自尊感情」「自己受容感」「自己効力感」「自己信頼感」「自己決定感」「自己有用感」です。それぞれの「感」が相互に作用し合うことで、自己肯定感は高くもなり低くもなります。

コロナ太りになっている人は、もしかしたら「自己決定感」に問題があるかもしれません。自己決定感とは、自分で決定できるという感覚です。私たちの日常は選択の連続ですが、「私が決めた」という「人生を自分でコントロールできている感覚」と幸福度とが比例することは、数多の心理学の研究で指摘されています。ところがコロナ禍という特殊な環境では、自分でコントロールできないことが多々発生します。自己決定感が低下するのは無理からぬことです。

「自己有用感」もコロナ禍の影響を受けやすい要素です。自己有用感とは、自分が何かの役に立っているという感覚です。周囲の人や社会とのつながりの中で自分が役立っていると感じられることで、人は承認欲求が満たされます。コロナ禍で人や社会とのつながりが絶たれてしまっては、自己有用感が得られないのは当然です。

そして危険なのは、自分を信じられる感覚である「自己信頼感」の欠如です。自己信頼感が揺れてしまうと、悲観的なフィルターを使って自分や世の中を見るようになっていき、ネガティブな感情がさらに強くなってしまいます。

私たちは、ネガティブとポジティブの間を行ったり来たりしながら生きています。うまくいっている人は、自分をフラットな状態に持っていき、感情を上手にコントロールする方法を知っているのです。

では、どうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょうか。まず大事なのは、自己肯定感が下がっている自分に気づくことです。

メンタルに変調をきたしているときは食生活も乱れがちですが、栄養が偏った食事ばかりだと太るだけでなく、メンタルのバランスはますます崩れるという悪循環に陥ってしまいます。自分の心の状態に気づくことさえできれば、自己肯定感はちょっとの努力で高めることができます。

そこで今回は、自己肯定感アップにもダイエットにも効く最適な食事術をご紹介しましょう。

「地中海食」と「食事日記」でコロナ太りを解消

心臓や血管の細胞をつくるのも、思考や感情をつかさどっている脳の働きを支えるのも、自分が口にする食事です。例えば塩分や動物性脂肪の多い食事は血管に悪影響を及ぼしますし、ブドウ糖は脳のエネルギー源となるように、食べ物から得る栄養は体やメンタルに強い影響を与えます。

こうした観点から、「体やメンタルを喜ばせる食事」として世界的に効果が証明されている「地中海食」があります。主にギリシャや南イタリアなど地中海沿岸地域で取られているメニューですが、下記の特徴があります。

◎野菜を多く取る
◎脂肪分は、オリーブオイルなどの良質なものから摂取する(動物性の油やサラダ油は控えめ)
◎タンパク質は、魚介類を中心に摂取する
◎チーズやヨーグルトを摂取する
◎肉類は鶏肉が多めで、牛肉や豚肉といった赤身肉はごく少量

毎食を地中海食にすることは難しいですし、その必要はありません。ジャンクフードを食べたくなることもあるでしょうし、その気持ちは無理に抑え込まず、食べたいものを食べてください。ただし回数を減らし、多くても週1回にしましょう。

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