タ:カタログによると、排気干渉がなく、ターボ効率がよく、中低速トルクが4気筒エンジンに比べてよいと書いてある。また、ボールベアリングターボを採用することで、低速トルクとエンジンレスポンスに優れ、耐久性も確保されているらしいね。
たしかにラリーやレースといったモータースポーツの世界では、パワーでけじゃ通用しない。レスポンスや低速トルクは必要不可欠な要素なんだ。しかし、排気量が小さいとパワーとトルクの両立が難しくなる。最高出力が272PSあっても、パワーバンドが狭ければ意味がない。そのあたりをレーシングドライバーという視点で見ていきたいよね。
1200kg台に抑えられた車重の軽さに注目!
編:なるほど!そのほかに気になるところはありますか?
タ:スペックを見ていて感じたのは、車重の軽さだよね。272psというパワーや豊かな低中速トルク、鋭いレスポンスを活かすために、徹底的に軽量化しているよね。評判のよさも、軽量なボディあってこそだと思うよ。速いレーシングカーづくりでは、なにより軽量化が効果的だ。タイヤのパフォーマンスやエアロパーツによる空力性能、エンジン性能を最大限に引き出すには、車重が効いてくる。GRヤリスの4WDや3気筒ターボエンジンのよさを引き出している、最大の要因は軽さという武器にほかならない。WRカーのベース車両として、勝つために開発されたGRヤリスの本質的な価値は“軽さ”だと思うんだ。
編:エンジンだけじゃなく、車重も含めたトータルバランスが重要ですよね!試乗前に少し具体的にGRヤリスの魅力を解説してもらえますか?
タ:今回の試乗車は、ターボ車のベースグレードにあたる“RZ”だ。見た目で注目したのは、ノーマルのヤリスとは異なるボディ。WRCで勝つためにつくられた最強の3ドアハッチバックボディだ。全長は、標準のヤリスが3940mmに対し、GRヤリスは3995mmと55mmも長い。ホイールベースも同様で、2550mmに対してGRヤリスは2560mmで、10mm長い設定だ。横幅は1695mmに対して、GRヤリスは1805mmで110mm幅広なのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら