トヨタ「ヤリス」発売1年、絶対王者の通信簿

激戦のコンパクトクラスで価値を創出できるか

エンジンは、1.0L/1.5Lのガソリン車および1.5Lハイブリッド車の3バリエーション。価格は、139万5000円〜249万3000円となる(写真:トヨタ自動車)

トヨタのコンパクトカーである「ヤリス」が、昨年2月に発売されて1年を迎えた。国内の登録車販売台数を集計する「一般社団法人日本自動車販売協会連合会」乗用車ブランド通称名別順位で、昨年2月は売り出し間もない時期だったこともあり、3491台で22位であったが、翌3月には1万3164台で3位に急浮上した。以後、6月に同社の「ライズ」に1位の座を譲ったものの、それ以外は首位を守り続け、年間販売台数で15万1766台となり、1位となった。そんな2020年に最も売れたコンパクトカーのヤリスを考察してみよう。

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まず2020年の販売台数を振り返っていく。昨年の1月は発売前になるので、11ヵ月で達成したその販売台数を月平均してみると、1万3000台を超える規模になる。年間販売台数の2位は同社のライズだが、それを2万5000台以上、上回る数を売り上げたことになる。

2020年の年間販売台数を見ると、ライズやカローラなど、もともとトヨタの販売を牽引してきた車種と、ヤリスで上位3位までを独占している。昨年トヨタは、国内で初めて市場占有率50%を超えるたが、その成果を残すうえでも大きな戦力となったことがうかがえる。

パブリカ、スターレット、ヴィッツと続く歴史

国内でヤリスは、新しく現れたコンパクトカーに見えるが、実はそれまで「ヴィッツ」として販売されてきたクルマだ。初代のヴィッツは、1999年に、それまでの「スターレット」の後継として売り出された。国内ではヴィッツと呼ばれたが、海外ではこのときからヤリスという車名で売られてきた経緯がある。

そもそも話が続いてしまうが……、ヴィッツの前のスターレットは、1973年にトヨタの大衆車である「パブリカ」の上級車種として誕生し、当初からスポーティーで運転を楽しむコンパクトカーの価値を提供してきた。モータースポーツでもトヨタの主力の1台であり、日産「サニー」やホンダ「シビック」と競り合ってきた。

しかし、2代目のスターレットへモデルチェンジする際に、パブリカの乗用車としての販売が終了することになり、スターレットはより大衆車的な身近な車種に姿を変えていく。それでも、ターボエンジン車といった高性能な一面も残したが、トヨタのスポーツ性を牽引する車種には見えなくなっていった。

ヤリスの原点と言えるトヨタの大衆車パブリカ(写真:トヨタ自動車)
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