「カローラ」発売1年、順調でも微妙な通信簿 販売2位を成功と見るか、足りないと見るか
トヨタは、2019年9月17日に「カローラ」の新型モデル(セダン/ステーションワゴン)を発売開始した。前年となる2018年6月26日の「カローラスポーツ」の発売とあわせて、ハッチバック、セダン、ステーションワゴンというバリエーションがそろったことになる。新型登場から1年の販売動向や顧客層の変化などをレポートしたい。
カローラについて考えるとき、トヨタの中のカローラの存在価値を理解する必要がある。
1966年に誕生したカローラは、50年以上の歴史を誇る。しかし、トヨタにとって50年以上の歴史を持つクルマは、カローラ以外にも数多く存在する。「クラウン」もそうであるし、「ランドクルーザー」や「ハイエース」「センチュリー」「コースター」「ハイラックス」「ダイナ」「トヨエース」といった具合だ。
しかし、そうしたお歴々の面々の中でも、カローラの重要性は群を抜いていると言える。なぜならば、カローラは、世界中をマーケットに圧倒的な台数を販売しているからだ。言ってしまえば“世界ナンバー1”のベストセラーカーなのだ。
2019年7月までに販売された累計台数は、4750万台以上。世界15の拠点で生産され、世界150カ国に向けて今も年間150万台を売っている。カローラ1車種だけで、スバルを抜き、マツダ1社の合計に匹敵するのだ。カローラこそ、トヨタを支える最も太い柱なのである。
販売会社にとっても特別な存在
国内各地には「トヨタカローラ」を名乗る販売会社が数多く存在する。そして、そのほとんどがトヨタとは別資本の独立した企業だ。日本全国の販売会社は、トヨタが勃興する前から日本各地で大きな力を持った有力者たちが興した会社だ。
そうした彼らの力があったからこそ、トヨタは今の地位を得たと言ってもいい。そんな彼らの意向を、トヨタが無視することはできないだろう。
そして、その販売会社は、まだまだカローラを売る気満々なのだ。実際に筆者は、販売会社の人たちがカローラに対して強い思いを抱いていることを実感している。2017年に、こんな出来事があった。
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