4年で26倍!ダイハツ「普通車」が爆売れした訳 トヨタ子会社化で「脱・軽自動車」へ戦略を転換
ダイハツは以前から軽自動車と併せて登録車(小型/普通車)をラインナップしてきたが、販売台数は少なかった。ダイハツが開発と生産を行う小型車はトヨタにも供給され、ダイハツは軽自動車の販売に徹していたからだ。
ところが、最近はこの役割に変化が生じている。ダイハツの小型車であるコンパクトSUVの「ロッキー」が売れ行きを伸ばし、2020年上半期(1~6月)には、コロナ禍の影響を受けながらも1カ月平均で2909台を登録した。
この販売実績は、ロッキーのライバルとなるホンダ「ヴェゼル」(1カ月平均3015台)、トヨタ「C-HR」(同3065台)に迫る。ロッキーの売れ方は、従来のダイハツの小型車とは明らかに異なるのだ。
ロッキーはトヨタにもOEM車として供給され、「ライズ」の名称で販売されている。ライズは2020年上半期に1カ月平均で9749台を登録したから、ロッキーに比べれば格段に多いが、トヨタ「パッソ」/ダイハツ「ブーン」などこれまでのOEMモデルの販売状況と比べると、その格差は縮まっているのだ。
「ライズ」にはない「ロッキー」の強みと商品力
なぜロッキーはこれほど売れるのか、ライズとは競争するのか。ダイハツの販売店に尋ねると、以下のような返答だった。
「ロッキーは売れ筋カテゴリーのコンパクトSUVなので、注目度が高いです。ライズと競争することもありますが、値引きなどの条件はロッキーの方が若干、上まわります。ライズは人気が高く、納期に3カ月を要しますが、ロッキーなら2カ月で納車できます。このほか、ロッキーには最上級グレードのプレミアムが用意され、ボディカラーにも専用のコンパーノレッドがラインナップされるなど、ライズとは違う特徴があります」
ロッキーは、納期が短い販売面のメリットに加え、ライズと異なるグレードやボディカラーを揃えることで、ダイハツの小型車ながら売れ行きを伸ばした。
前述のロッキープレミアムは、安全装備のブラインドスポットモニターなどを標準装着し、シート生地はライズでは選べないソフトレザー調となる。なぜロッキーには、ライズとは違う上級グレードを用意したのか。この点は開発者に尋ねた。
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