4年で26倍!ダイハツ「普通車」が爆売れした訳

トヨタ子会社化で「脱・軽自動車」へ戦略を転換

ここまでダイハツの小型/普通車が増えた背景には、どのような事情があったのか。ダイハツの販売店に改めて尋ねた。

「現行型のブーンとトールが発売されてから、ダイハツは小型車の販売にも力を入れています。販売店の試乗車も充実しました。小型車に力を入れる理由は、軽自動車の好調な売れ行きが、今後も長く続くとは限らないからです。そこで軽自動車から小型車に上級移行するお客様にも、目を向けるようになりました。税制も変わり、軽自動車税が上がった一方で小型車の自動車税は下がったので、差額も縮まりました」

軽自動車税は、2015年4月の届け出以降、従来の年額7200円から1万800円となった。自動車税は、2019年10月1日の登録から、逆に値下げされている。特に排気量が1リッター未満の車種は、年額2万9500円から4500円下がり、2万5000円になった。

そのため、1リッター車の自動車税と軽自動車税の差額は、以前は年額2万2300円だったが、今は1万4200円に縮まった。軽自動車には不利な条件で、ダイハツが小型車に力を入れる一因になっている。なお、ロッキー、トール、ブーンはいずれも1リッター車だ。

トヨタからのOEMは増やさない

今後は、ミドルサイズセダン「カムリ」のOEM車である「アルティス」のように、ダイハツがトヨタから小型/普通車の供給を受けることもあるのか。この点も販売店に尋ねた。

「ダイハツがトヨタからの供給台数を増やすことはありません。ダイハツが販売に力を入れるのは、あくまでも自社で開発と生産を行う車種です。今はロッキー、トール、ブーンの3車で、エンジン排気量はすべて1リッターです。また新たに小型商用車の『グランマックス』も加えました。このクルマはトヨタ『タウンエース』の姉妹車ですが、インドネシアにあるダイハツの工場で生産される輸入車です」

「グランマックス」はインドネシアの「アストラ・ダイハツ・モーター」で生産される(写真:ダイハツ)

要は、今後のダイハツは軽自動車に加えて、1リッターエンジン搭載のコンパクトカーにも力を入れるということだ。1.5リッターエンジンを用意する「ヤリス」までは取り扱いを広げないが、ロッキー(トヨタ版はライズ)、トール(同ルーミー&タンク)、ブーン(同パッソ)は、両ブランドで扱う。

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