時短拒否の外食企業が都に「104円請求」する訳

グローバルダイニング社長が胸中を激白!

――緊急事態宣言解除まであと4日という3月18日、時間短縮営業の「命令」が下されました。 

長谷川:違法な行為をするつもりはなかったので、(要請よりも強い)命令が出れば従う予定だともともと発信していた。だが、(時短要請に応じられない正当な理由を示した)弁明書のなかで感染症対策などに対する疑問を書いたが、それに対する回答はゼロだった。

3月18日に、東京都から特措法に基づく施設の使用制限に関する命令が下された(提供:グローバルダイニング)

倉持:東京都はグローバルダイニングに時短営業の命令を出した理由の1つとして「原告は緊急事態措置に応じない旨を強く発信している」ことをあげている。これは、長谷川社長が自らのSNSなどでコロナ対策の是非などについて発信していることを指すと思うが、個人の発信を受けて行政が命令を出すことは、表現の自由の侵害にあたるのではないか。

また、時短要請に応じなかった飲食店が、(東京都の調べでは)約2000店あるにもかかわらず、命令が出されたのはたったの27店(3月18日時点)。そのうち26店は原告の店舗であり、法の下の平等に照らしても納得しがたい。

菅総理が3月18日の記者会見で「緊急事態宣言の解除」を発表したにもかかわらず、都が同日に命令を発出したことにも疑問が残る。

問題提起するうえでは訴訟しかない

――パブリックコメントなどほかの手段ではなく、今回なぜ「訴訟」という重い手段を取られたのでしょうか。

倉持:パブリックコメントではメッセージとして弱い。

グローバルダイニングの代理人を務める倉持麟太郎弁護士(撮影:今井康一)

本訴訟では営業の自由などの観点から特措法そのものの違憲性についても争っている。2020年5月末、1度目の緊急事態宣言が終わった後に同法の問題点はいろいろとあったが、国会ではほとんど議論がなされなかった。マスコミも不安をあおる報道ばかり。

この社会の中でコロナの法案に関して議論したり批判したりする機関や勢力が見受けられず、適切な民主主義や法の支配というのが吹っ飛んでいるのではないかと感じた。こうした議論を「蟻の一穴」のように問題提起できるとしたらこの方法(訴訟)しかない。

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