春節の「デジタル戦略」香港と深圳にある隔たり DX施策は個人情報とトレードオフとの声も

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人の直接的な移動が難しくなる中、新たな春節の提案として街中で見かけられる標語が、「雲上過年、雲上見(バーチャルで帰省して、バーチャルで家族団欒を楽しもう)」というものだ。この標語を支えるのが中国でも注目されているDX技術だという。

ライブストリーミングを通して、地元の文化を紹介する取り組み。組織の垣根を超えた協力で、帰省できなかった人たちも帰省気分を味わえる(写真:加藤さん提供)

まず、人気なのがTikTokや騰訊公益(テンセントの社会慈善事業部門)などが運営するSNSプラットフォームを使った「直播(ライブストリーミング)」だ。

今年の春節では地元の名所や新年行事や祭事を、実家に帰省できない人たちへ紹介する、いわば社会貢献を目的にしたライブストリーミングが放映された。

運営にあたったのは、各地方自治体やテレビなどの放送局に加え、著名なネットアイドル、雑技団や軽業師など。各地の伝統芸術を伝える文化協会も参画する、地方社会全体の取り組みともいえる。

ライブストリーミングが盛ん

アリババグループが春節前に公開した各種新技術とその内容(写真:加藤さん提供)

公的機関が社会貢献としてライブストリーミングに注力する一方、従来の消費喚起およびマーケテイングを目的としたライブストリーミングも花盛りだ。

アリババグループが運営するアリペイを中心にしたプラットフォームでは10万以上の登録企業や個人アカウントが、春節の帰省気分が味わえるライブストリーミングや、田舎の味を通販で届けるキャンペーンを実施した。

春節の過ごし方がバーチャルな方法に置き換わる中でもう1つ唱えられているスローガンが「科技多跑路,防疫少跑腿(テクノロジーの進歩は、ウィルスの先を行く)」。

国を挙げた移動抑制政策下では、春節は新技術をPRする格好の場としても位置づけられた。

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