梯氏の代理人 (梯氏の)ノドの調子が悪いので原稿を代読する、という形になります。MBOを聞いたのが4月16日。りそな銀行とタイヨウが理事長のところに来て、財団の持っている株を売ってくれと。ところが、財団は数年前に公益財団になっていて、6月20日に評議員会では「財団は企業の利害に関係する決定にはかかわらない」という決定をした。それが最もフェアだと。
ところが、それに至るまでは、4月16日からわずか2週間後に、ローランドから出向している専務理事によって独断で招集された会議で、財団の株を売るということになった。そのいきさつは別として、40億円あまりの財団の基本財産売却をわずか数週間で決めること自体が公益目的に反している。
プレッシャーを感じて短い間に決めなければならなかった。財団は紛糾し分断された。こういうことが起きると、今回の事件で、公益認定を取り消されるリスクすら出てきた。公益のために判断しなければならないのに、一企業のための判断を迫られた。万が一、公益を取り消されたら、どう責任を取るのか。
三木社長 資本政策のスキームは何年も前から検討してきた。今年の1月から具体的に検討。タイヨウさんに具体的な案を出していただき勉強会をした。3月31日にMBO検討開始の決議をした。インサイダー情報にかかわるので、筆頭株主の財団には、発表の約1カ月前にご相談に上がった。
梯氏 聞いていません。
三木社長 当社の経営企画部長が同席している。タイヨウはもともと付き合いのあったファンドで、りそなさんが連れてこられたということはありません。りそなさんにはメインバンクとしての資金の援助をお願いした。3者で詰めてきた。財団の採決の内容は財団の話なので、答える立場にない。
価値向上か、乗っ取りか
梯氏 違います。あなたが非常に口出しをしたために、(ローランドの社内にある)財団の印鑑すら得られなかった。それまでも断った。代理で(財団の印鑑を会社から持ってくることを)委託した人にも直接あなたが話をした。(そして結局、印鑑は委託人に渡さなかった)
それと、証券会社がMBOの募集をしている。非常に不明瞭で、「(ローランド株は)紙屑になりますよ」と言って(営業して)いる。証券会社の内部管理責任者に報告し、株主への謝罪と再説明を求めたが、証券会社がこういうことをしていいんでしょうか。MBOの勧誘にふさわしいのでしょうか。そういう誘われ方をした人が、この中に何人もいます。そういう人がいたら手を挙げてください。
手を挙げている人いますよ。金融庁にも報告してあります。念押しで、100%ファンドに取られる。完全な、犯罪的と言っていいほど、悪辣な乗っ取りです。これ以上の言葉はありません。それでもあなたはやるんでしょうか。
三木社長 乗っ取りという指摘だが、きちんとした合意の上で価値向上に取り組むというスキーム。このスキームはいくつも実例が見られる。非上場化のメリットは先ほど話したように、一気に企業価値を上げてあるべき姿に持って行く。
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