通常は、経営陣が全部クビになって、会社を切り売りするのが“乗っ取りファンド”のやり口。タイヨウは十数年かけて日本の上場企業に投資し、経営者と信頼関係を作る、と。日本では敵対的な買収、敵対的なアプローチではうまくいかないという信念の基にまったく新しいアプローチをされているファンドさん。いくつもの上場企業の社長さんの信頼を勝ち得てここまで着実にやってこられた。
今回のMBOは、タイヨウにとってもローランドにとっても初めてのケース。ですから、絶対失敗できない。ローランドの企業価値を必ず上げるんだということを共有したうえで、パートナーシップを組んでいる。単におカネを出してもらう、それでいいということではなくて、こういうローランドを作るんだ、と経営陣が選んだ最適なパートナーとしての資本家。
株主総会が開かれないというが、毎月の取締役会が実質、株主総会に匹敵する。執行をきちんと見てもらう、非常に緊張感の高い中での経営であることは認識している。資本と経営の一致が短期間の構造改革に必要だということを株主に理解してもらいたい。
梯氏 日にちをずらしてMBOを続けるのは(TOB期間の延長に)メリットがあるからだろう。しかし(期間延長になったことで、いったんTOBに応じた人でも)キャンセルできる。私は勧誘に乗らずにストップする。証券会社の勧誘に乗らないと宣言したい。目の前でやられる乗っ取りの唯一の防御策だ。私は(今回の総会の)入り口で入れてもらえなかった。創業した人をそういう目に遭わせる、健全な会社とは到底思えない。
三木社長 財団の議決権行使は別の方が来られている。
「創業者を完全に辞任する」
梯氏 私は65歳に全部引いて、次に渡した。(退任後に)役員会に出席しても、私が意見をしても議事録に残らず、採用もされない。去年、特別顧問を辞めても、創業者という名目で給料が出る。おかしいとクレームをつけた。
私はこの総会で創業者をパブリックの前で完全に辞任したい(私の名前を創業者として今後いっさい使わないでほしい)。今日は私にとって最後の総会。ひょっとしたら皆さんにとっても最後の総会。浜松から上場企業が1つ消える。創業者が気持ちよく(総会に)参加できる会社でなければダメ。(現経営陣は創業来からの)スローガンから今、全部破っている。
三木社長 長年ブランドを創っていただいて、本当に尊敬、感謝。特別顧問、名誉会長として残ってほしいと何度もお願いしたが、受けてもらえなかったのは私の不徳の致すところ。ですけれども、ローランドを建て直す気持ちにウソ、偽りはない。それでは最後の方、これで質問を締め切らせていただきたい。
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