ローランド総会、創業者と社長が激しい応酬 「これは乗っ取り」「いや、構造改革のためだ」

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痛みを伴う当事者にいろいろな思いがあるのは理解している。ローランドの企業価値を高めるということで最終的な合意に至っている。基本的に、できるだけフェアでオープンな形でやっていきたいと考えている。

梯氏 工場のほうをまず聞きます。6カ所ある工場のうちの1カ所を閉めるくらいならまだ分かるが、ほとんど閉めてしまう。日本の工場とインドネシアの工場しか残らない。中国もあなたの整理リストに載っている。そのとおりやっている。本社のプリント基板のラインも今はありません。

5%、8%の経費節約になるということだったが、それよりも何十年もかかって熟練した人がいなくなった。前の社長が134人切った。せっかく円安になってもその力が今は出ない。円安を享受しているのは(子会社の)DGだけ。せっかくの上場会社が泡と消える。こんな残念ことを…。私はどうしようもないと思う。

最初に戻ります。100%タイヨウの会社になってしまうんですよ。いいですか。あなたはそれを承知の上か。あなたは何%ですか。自分でわからない?

ファンドをめぐる意見の対立

三木社長が株主総会の議長を務めた(撮影:今井康一)

三木社長 合併した後は、役員一同含め、従業員も持ち株会という形で非上場化したローランドの株を持つ仕組みを考えていきたい。それは(東洋経済オンラインの)インタビューでお答えしたとおり。株価、株の比率は未定でお答えできない。

梯氏 僕は、驚きます。自分の給与、株の額も知らないで、そんなもん作る経営者はいません。どこの国にもいません。日本にもいません、あなただけです。そんなことでローランドの経営ができますか、絶対できないですよ。これ(前述の資料)を見るとはっきりしている。MBOをやると、DG(の株)もそのままついてくる。(タイヨウにとって)こんなおいしい話はない。それ、わかっていますか。

三木社長 DGに関しては、(同社の)冨岡(昌弘)社長とタイヨウの間でディスカッションが行われ、タイヨウは経営権を取るつもりのないことが表明されている。徐々にDG株を売却するので、タイヨウがコントロール下に置くということはございません。また、さきほどロジャースが売却に出ているとおっしゃいましたが、その事実もございませんので、改めて訂正しておきたいと思います。

梯氏 私のところには(ロジャースを売るという)情報が入ってきている。売る意思ははっきりしている。前からそう言っていました、あんた。

三木社長 いえ、私は、そのようなことは、言った覚えはありません。このことだけははっきりさせておきたい。

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