三木社長 担保、財団の今後、安定株主について分けて回答する。常若は特別目的会社。目的会社の株式が担保。最終的にはローランドと合併するのでローランド株。返済が終われば担保も外れる。
梯氏 そこまでは創業時にりそな銀行、当時の大和銀行とやったことと同じ。しかし、今回は借金が残るんです。タイヨウが一人株主、そして三木君が社長に残る。借金を抱えてスタートする。これだけの重荷を抱える。(好業績で親孝行子会社の)ローランドDGが連結から外れて、楽器(部門)が裸で勝負することになる。そのローランドは、借金を抱えたローランドになる。
私が経営していたら、これだけの借金をしたら私は眠れない。そのくらいの(金額の)借金。私が経営していた頃は自己資本比率が80~90%。私が役員から外れて十数年で、こんな状態になる。同業他社と似たような商品群で、どうしてこうなるか。
それから、松本の工場を売ってしまった。開発部隊が引っ越しで右往左往している。イタリアの会社も売った。発表当日に、イタリアの社長にクビだと通知している。合弁会社でマーケティングにすばらしい人。技術部長ら4人がクビ。営業部隊の30年働いた人をたった1300万円(の退職金)で妥結してクビにした。「こんな会社は一生働かない。こんな会社と交渉もしない」と。
(海外の)マーケットを三木君は見てきたというが、アメリカの売り上げが半減しているのはどういうわけか。イタリアのアコーディオンの工場でストが起きている。それはネットに載り、ビデオもある。工場を次々売って、大型のキャビネットのロジャースも売りに出ている。あと残っているのは中国と…。なぜ工場を売って、売り上げが増えるのかを教えてください。まずはこれの仕組み(借入金をどう返すのか)ですね。まずここから言ってください。
「個別のやり方は任せてほしい」
三木社長 借入金は常若の株式が担保。長年、無借金経営に近い形でやってきたので、今回の金額が大きいと認識している。しかし、きちんとしたキャッシュフローで返していける。そうでなければ借り入れというのは実行できないというのが実際。
それから、工場の閉鎖についてはさまざまな誤解がある。工場閉鎖は中期計画に沿ったもの。過剰設備は集約することで効率が上げられる。イタリアは9億円以上のコストダウン。ヨーロッパの工場は長年、現地工場として貢献してきたが、役割を終えた。赤字が続いていた。したがって、工場の閉鎖を判断してやらせていただいた。
個別のやり方は当然、経営陣にお任せいただきたいが、誠意を持ってディスカッションしてきたし、予期せぬような法廷闘争もなかった。最終的には個別の案件すべてで合意してサインしてもらった。
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