駒大・大八木監督「私の本気を選手に伝えている」 平成の常勝軍団を復活させた名将が語る指導論

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――中村匠吾選手なんかは、やはり光っていたんでしょうね。

中村はね、目に見えないものがありました。マラソンに向いているかなって思ったこともありましたから(笑)。それがやっているうちに「おお、向いている、向いている、いや彼には本当に底力あるんだ」って、僕のほうがびっくりしました。そういうのを反対に私が教えられた部分があります。今の田澤はもう元からセンスは持っています。だから、この子はどこまでやって、どこまで本当に勝負強くなるかなというところですよね。

中村匠吾選手のサインが入ったシューズも飾られている(撮影:尾形 文繁)

本気で選手にぶつかる「熱」、そして「情」

――そうした監督の期待や思いが、厳しさにもつながっていくのでしょうか。

そうですね。自分の本気さを選手たちに伝えたいというのがありますから。だから、そのときには厳しいことも言います。本当に厳しくて冷たいような言葉も出すかもしれませんけども(苦笑)。その分、現場に行くときには私も準備はしていきます。選手たちに私の本気さというか、情熱をいちばん見てもらえる場所ですから。

時には厳しいことも言うが、フォローしながらメリハリをつけて指導を行っている(撮影:尾形 文繁)

――朝練習で自転車の伴走を再開されたと聞きました。

はい、もう1回やろうと。だから、現場に行くまでに体がしゃきっとしてなかったらダメなので。体がきついときや、あんまり気が乗れていないときは、サウナに入って準備したり。そういう本気さを見せるということがやはり大事だと思いますので。 

――これは厳しすぎたかな、と思うことはありますか。

私の言いすぎだろうな、と思うときはあります。そういうときは寮に戻って監督部屋に呼んで「なんで俺がこういう厳しいこと言ったかわかるか? お前のここが足りない部分だから、そこは厳しく言う。それをわかってほしい」という感じでフォローしながらやりますね。その辺のやはりメリハリっていうんですかね。

――やはりフォローされるんですね。

フォローしたり、言い方が少しずつやわらかくなったのは、50歳を過ぎてからですかね。昔の子は怒られても「後で見てろよ、監督。絶対やってやるから」っていうような感じでしたし。(駒大OBでコニカミノルタ陸上競技部に進み、今は同チームでコーチの)宇賀地(強選手)が寮に来たとき、「監督、めっちゃ優しい。今の学生はいいよな」みたいなこと言われました(笑)。

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