「声が出にくい人」を悩ませる発声障害の正体 専門医が解説する「音声障害」3つのパターン
何らかのストレスがきっかけで、器質的にも機能的にも問題がないにもかかわらず、声がかすれてうまく出せなくなったり、ほとんど声が出なくなったりすることがあります。また、強い悲しみなど精神的ショックを受けたことをきっかけに、声が出なくなることもあります。これが「心因性発声障害」です。
こうした声の不調をほうっておくと、場合によっては声がまったく出なくなったり、命にかかわる状態に陥ったりすることもあります。いかに早く原因を見つけ、対処していくかが大切です。
声の不調はこうして表れる
音声障害は本人が気づかないうちに起こっていることがあります。人は自分の声を客観的に聞くことができないからです。ここでは音声障害の兆候をいくつかご紹介しましょう。
①相手から聞き返されることが増えた
音声障害になると、話し出すとすぐに息苦しくなってしまうため、一息でしゃべることのできる時間が短くなります。頻繁に息継ぎをしなければならなくなるため、出てくる声は不安定になります。そのため、必然的に相手から聞き返される頻度が増えます。
②歌い慣れた歌が歌いにくくなった
以前よく歌っていた歌を、今も同じ声の高さで歌うことができなくなっていたり、息が続かなくてブレスの回数が多くなったりしていたら要注意です。
③15秒以上声を出し続けることができない
深く息を吸ったあと、「あ~」という声を15秒間出し続けたときに、声が続かなかったり、かすれてしまったりする場合は、音声障害の可能性があります。
そのほかにも、次のような症状が出ていたら、まずは病院で検査されることをおすすめします。
- ・話し始めの声が出にくい
- ・長く話すと声がかれる
- ・歌うとのどが苦しい
- ・夜になるにつれて声が出なくなる
- ・のどが詰まった感じがする
- ・あいさつなどの簡単な言葉もつまってしまう
- ・話していると声がとぎれる
- ・話すと声がふるえる
- ・音程がうまく合わせられない
- ・風邪が治っているのに声がかすれたまま
声が出ない(出にくい)という症状は、直接生命にかかわらないことが多いと思われているため、違和感を抱えながら生活したり、治療を後回しにしてしまいがちです。しかし、声の治療をした人は状態が良くなったことをきっかけに、今まで声のためにできなかったさまざまなことに挑戦する人もいます。それほど良い声は生活の質をも上げるのです。
声の不調は決して治らないものではありません。きちんとした診断と適切な治療をすれば、治ることも多いです。声の不調が長引いていれば、一度専門医の治療を受けていただくとよいでしょう。
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