「声が出にくい人」を悩ませる発声障害の正体 専門医が解説する「音声障害」3つのパターン

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のどが不調な人は音声障害の可能性もあるようです(写真:mits / PIXTA)
声の出し方や加齢、ストレスなどが原因で、思うように声が出せなくなる「音声障害(発声障害)」。最近では、歌手の伍代夏子さんがのどのジストニアの1つである痙攣性発声障害であることを、俳優の川崎麻世さんが20年ほど前から機能性発声障害に悩み続けていることを告白しました。
音声障害によくある症状の「声がれ」は、甲状腺がん、肺がん、食道がん、さらに胸部大動脈瘤や脳梗塞が原因となっているケースもあるといいます。『専門医が教える 声が出にくくなったら読む本』を上梓した山王病院東京ボイスセンター長で耳鼻咽喉科専門医の渡邊雄介氏が、音声障害にはどんな症状があるのか、自分で音声障害を見つけるポイントを解説します。

「音声障害」とはどのような病気か

音声障害についてみなさんはあまり聞いたことがないかもしれませんが、実は全国に推定患者数が※752万人ほどいるといわれる声の障害です。

※「コミュニケーション障害の疫学:音声言語・聴覚障害の有病率と障害児者数の推定」/京都学園大学健康医療学部紀要/2016年3月31日

音声障害とは簡単にいうと、「発声機能に障害が生じ、思い通りの声が出なくなる病気・症状」です。最近では、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で会話をする機会が減り、のどの筋肉 「声筋(こえきん)」 の衰えによる音声障害や、逆にリモート授業や会議などでいつもより大きい声を出すことによる音声障害のほうが増えてきている印象です。

しかし、音声障害と一口に言っても、その原因はさまざま。声帯やのど周りの異常により声が出しづらくなっている人もいれば、声の出し方に問題があるために声が出しづらくなっている人、精神的な問題に起因して声が出しづらくなっている人もいます。

声の不調というと、のどだけに原因があるように思うかもしれませんが、声の不調には声帯だけではなく、舌の動き、呼吸の仕方など、さまざまな要因がかかわっています。音声障害は大きく分けると次の3つのパターンがあります。

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