片道24時間「小笠原でワーケーション」は可能か アフターコロナの新しい働き方のヒントに

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歴史的にアメリカ文化の影響を受け(※)、東京でありながら海外のテイストを味わえるうえ、外部からの若い移住者も多い小笠原。世界自然遺産に登録されていることから、自然を守りながらサステイナブルなコミュニティを立ち上げたり、スモールビジネスを起業するなど、アクティブに活動している人も多いのです。

※小笠原は1945年から1968年までアメリカ軍によって管理されていました。

例えば、小笠原のおしゃれピープルのたまり場になっているカフェ「曼荼羅COFFEE」。無人島で外来生物グリーンアノール(トカゲの一種)から小笠原の固有種を保護するなど、サステイナブルな活動で出会ったという父島ネイティブの萩原みづきさんと夫の卓さんが営むカフェです。

名物は卓さんが丁寧に焙煎したコーヒーとみづきさんが焼くヴィーガンタルト。まだ都心(小笠原では内地と呼びます)でもそれほど数多くはないヴィーガンスウィーツを、みづきさんは独学で学び、いまでは内地からのお取り寄せにも対応。通販のスモールビジネスを展開しています。

カフェ「曼荼羅COFFEE」の萩原みづきさんと夫の卓さん(写真:江藤詩文)
名物のヴィーガンタルト「曼荼羅タルト」はお取り寄せもできます(現在は休止中。最新情報は公式インスタグラムに掲載)(写真:江藤詩文)

小笠原のコーヒー栽培を手がける人も

一度は生産が途絶えてしまった小笠原のコーヒー栽培に取り組み、サステイナブルな小笠原産コーヒーを栽培から加工、焙煎、抽出、提供まで手掛けているのは「USK Coffee」オーナーの宮川雄介さん。彼のコーヒー豆、その名も「ボニンアイランドコーヒー」は評価が高く、新宿伊勢丹などでも扱われています(出荷状況による)。

アメリカのクラシックトレーラーハウスをアレンジした「USK Coffee」(写真:江藤詩文)
コーヒーに魅了されて小笠原へ移住したオーナーの宮川雄介さん(写真:江藤詩文)

また、宮川さんは小笠原カルチャーの発信者でもあり、彼が月に1度主催するファーマーズマーケットには、小笠原の農作物の生産者のほか、ヨーロッパ仕込みのハードパン(元・内地のロブションのパン職人が焼き上げます)、ガラス作家やクラフト作家のアートなども集まります。

ホームメイドの焼き菓子とコーヒーでリラックス。奥はフリーペーパー「ORB」(写真:江藤詩文)

小笠原ベースのメディアも面白い。小笠原のフリーペーパー「ORB(オーブ)」は、ありがちな店情報や割引クーポンがついたものではなく、エッジの効いた切り口で小笠原発のカルチャーを取り上げたカルチャーマガジン。発行・編集人のルディ・スフォルツァさん(イタリア人とのハーフ)は、国際的な視点から小笠原の日常を読み解き、世界に向けて英語と日本語でその文化や歴史を発信しています。

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