全人類が「不安から逃れられない」科学的根拠 「今すぐ不安を和らげる方法」もあわせて紹介
人間は、なぜ不安を感じるのでしょうか。
進化心理学的には、人間の心のメカニズムは石器時代から変わっていないと言われています。ホモサピエンスの誕生に端を発する何十万年の人類の長い歴史からすると、文明の発達など、数分前に起こったことのように最近の話。生物の進化は、長い時間をかけて起こるものです。
現代文明発達の歴史程度の短い期間では、進化が追いつけるわけがなく、私たち人間は、実は狩猟時代の心と体のままとも言えるわけです。石器時代の人間は、現代から見ればなんでもないことで命を落としかねない時代でした。
なぜ不安は「夜」に感じやすいのか?
鉄筋コンクリートに守られた家屋や電化製品もなく、現代の日本から見れば、ちょっとしたことで命を落としかねない……そのため、命を守るためには、日常のわずかな変化や違和感にも注目し、それが危険かどうかを見極める必要がありました。ですから、ちょっとしたことに対しても不安になるくらいがちょうどよかったのです。
進化心理学では、現代の人間も心のメカニズムはほぼ太古の昔のままなので、不安になりやすいと考えられています。ガスの元栓や、玄関のドアの鍵が気になると、家に帰って確認したくなるのも、不安で心配性であるほうが危険に対処しやすく、生存競争で有利だった先人たちのDNA――、“遺訓”とも言えるわけです。
夜になると不安を感じやすくなることも同じです。はるか昔から、暗闇は不安を呼び起こすものであり、夜のとばりが落ちることで現代人の我々が急に寂しさや不安を感じるのも不思議なことではないのです。むしろ、生きている証拠。
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