立ち食いそばの正体は「茶色いうどん」 そば粉は1~2割!サラリーマンの強い味方「立ち食いそば」の裏側

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2/6PAGES
3/6PAGES
4/6PAGES
5/6PAGES

立ち食いそばは「当たり外れが大きい」

立ち食いそばは安くて早く食べられる、サラリーマンの強い味方です。

しかし、町のそば屋に行ってみてください。少しいい店になると、平気で800円、900円、エビ天そばになると1000円以上はすると思います。

「なぜ立ち食いそばは半額以下の値段で出せるのか?」ということを一度、よく考えてみてほしいのです。

その理由は、値段の高いそば粉の割合をできるだけ減らし、安い輸入小麦粉を混ぜているから、具材の大半を輸入食材で賄っているからです。そうでないと、あれほど安い値段で出せるはずがないのです。

ただし、立ち食いそばチェーン店の中には、そば粉の割合が5割の店もあります(それでも小麦粉が5割ですが)。また、店内で天ぷらを揚げている店もあれば、業務用のつゆを使わずに自家製にこだわっている店もあります。

そういう点では、立ち食いそばは「当たり外れが大きい」とも言えます。ネットで調べれば、独自のこだわりやそば粉の割合などがわかる店もあるので、「普段よく行くあの店はどうだろう?」と、気になる人は調べてみてください。

そういう「外食の裏側」を知ったうえで、それをどう判断するかは、その人個人の自由です。「安いからいいじゃん、気にしない」と言う人もいれば、「だまされた!」と言う人もいます。しかし、「裏側」を知らないと「選択」さえできません。

そば粉10割、あるいは8割のそばを出していたのでは、とても立ち食いそばの値段ではやっていけないというのも事実です。安い小麦粉を混ぜるからこそ、安い値段で出せるのだというなら、それはそれでいいのです。

それならば、そば粉が1~2割のものを「そば」といって売らなければいい。「そば風」「そばもどき」として売ればいいのです。

そば粉が1割しか入っていないものを「そば」だと言い張るのは、もはや詐欺行為だと私は思います。

6/6PAGES
河岸 宏和 食品業界を知り尽くした男

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かわぎし ひろかず / Hirokazu Kawagishi

食のプロや業界関係者のあいだで「食品業界を知り尽くした」と言われる男。大手ハムメーカー、大手卵メーカー、大手スーパー&コンビニ、数々の食品工場での勤務経験から「肉のプロ」「卵のプロ」「スーパー・コンビニのプロ」とも呼ばれる。

1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。
これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。

著書に『スーパーの裏側』(東洋経済新報社)、『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(同文舘出版)などがある。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」を主宰。 
毎週発行している無料メルマガは、食品問題や事件が起こったときにすぐに解説するなど好評を得ている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事