立ち食いそばの正体は「茶色いうどん」 そば粉は1~2割!サラリーマンの強い味方「立ち食いそば」の裏側

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エビ天の正体=エビは東南アジア産+衣が2重、3重

河岸:エビは、ほぼ間違いなく東南アジア産。業務用のエビは、東南アジアからの輸入が大半だからね。衣に使われている小麦粉はアメリカ、カナダ、オーストラリアのどれかの輸入品だと思う。

N君:エビは東南アジア産ですか……。でも、衣を店でつけて店内で揚げるなら、十分おいしいんじゃないですか。

河岸:いや、こういう業務用のエビ天は、すでに工場で揚げたものが真空パックされて入ってくるの。店ではお湯につけるだけ。

N君:えっ? 天ぷらなのに、店で揚げていないんですか?

河岸:すでに揚げたものを仕入れて使うことが少なくないね。この店の厨房を見ても、天ぷらを揚げている様子も設備もどこにもないでしょう。

業務用エビ天のつくり方。工場ですでに揚げたものが、かたまりの状態か1つずつ真空パックされた状態で、店に運ばれてくる。

N君:言われてみれば……。確かに、家庭で天ぷらを揚げると、こんなに衣が分厚くなりませんよね。

河岸:それは衣を2回づけ、3回づけするから。2回づけは普通で、3回づけすることも珍しくない。甘エビのような小さなエビでも、巨大な“厚化粧”の衣がつけば、見た目は立派に見えるからね。

N君:エビ天には、添加物もたくさん使われるんですか?

河岸:もちろん。このラベルは違う店のものだけど、こんな感じ。

業務用のエビの天ぷらのラベル。添加物もたくさん使われている。

N君:奮発してエビ天そばにしなくてよかったです!(笑)

河岸:でも、山菜そばは山菜そばで、いろいろ「裏側」があるからね……。

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河岸 宏和 食品業界を知り尽くした男

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かわぎし ひろかず / Hirokazu Kawagishi

食のプロや業界関係者のあいだで「食品業界を知り尽くした」と言われる男。大手ハムメーカー、大手卵メーカー、大手スーパー&コンビニ、数々の食品工場での勤務経験から「肉のプロ」「卵のプロ」「スーパー・コンビニのプロ」とも呼ばれる。

1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。
これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。

著書に『スーパーの裏側』(東洋経済新報社)、『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(同文舘出版)などがある。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」を主宰。 
毎週発行している無料メルマガは、食品問題や事件が起こったときにすぐに解説するなど好評を得ている。

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