ドラム型洗濯機が2万円! 中国メーカーが仕掛ける激安白モノ家電戦争

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山谷剛史  ライター

白モノ家電に強い美的(Midea)というメーカーが、価格を前面に訴えたドラム型洗濯機を投入した。驚くなかれ、同社のドラム型洗濯機「MSG52−8001」を1499元、日本円にして約2万1000円(!)というキャンペーン価格で販売している。
 
 価格.comなどの価格比較サイトで見ても、日本におけるドラム型洗濯機の価格は、8万~20万円であり、2万円台というと、昔からある縦型の洗濯機や二槽式洗濯機しか売られていない。中国市場ですら、最安値帯は2000元(約2万8000円)のモデルが一部のメーカーからリリースされている程度である。

農村向け家電購入活性化政策の「家電下郷」や都市部向け家電買い換え活性化政策の「以旧換新」では、AV家電から白モノ家電、情報家電に至るまでさまざまな製品が対象となったが、売れたのはテレビ、それも液晶テレビであった。液晶テレビが売れたのは、ニーズ以外のところでは、前述の政府政策に加え、(主に中国メーカーによる)メーカー間の激しい価格競争とPR競争によるところが大きい。(→参考:以旧換新(都市向け買い換え補助金政策)で気を吐く中国テレビメーカー

このドラム型洗濯機、メーカー希望小売価格こそ2388元(約3万4000円)となっているが、中国全土で1499元での販売キャンペーンを行っており、中国各地の家電量販店でキャンペーンのチラシを配ってアピールしている。

これにより少なくとも家電量販店を訪れた消費者に、洗濯機メーカーに美的ありと認知させることができる。液晶テレビも同様の方法で中国メーカーは消費者に訴え、認知され、シェアを上げている。ならばと、他の白モノ家電メーカーも追随してローエンドのドラム型洗濯機の値下げキャンペーンを各地で行う可能性は十分にありそうだ。

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