ドラム型洗濯機が2万円! 中国メーカーが仕掛ける激安白モノ家電戦争

拡大
縮小



 液晶テレビが売れた理由を中国人消費者目線で見れば、ブラウン管から液晶テレビに買い換えることは、他の内部のスペックアップの製品に比べて、見た目で非常にわかりやすい、ということがある。
 
 中国人は日本人のように、オリンピックを契機に買い換えたり、ちょっとでも壊れたら買い換えたりするという人は少ない。メーカー保証期限を過ぎて壊れても(中国の家なら)近所にある修理屋に相談して直すのだ。新製品に簡単に飛びつくことは少なく、はっきり見た目でわかるメリットがないと買い換えることはない。

この点、液晶テレビは違いがわかりやすく、また中国人は習慣として、結婚したら家から家具・家電、服までできるだけ新調しようとする。新しい生活を迎えるに当たり、液晶テレビはワンランク上の生活を象徴するものとして人気の製品になったわけだ。

さて激安ドラム型洗濯機である。過去のあらゆる家電、いや、あらゆる中国の消費者向け製品で、あるメーカーが価格破壊の製品をリリースすれば、他のメーカーも追随するのが常。まず美的(Midea)だけが、将来にわたって価格で圧倒的優勢を維持できるとは考えにくい。

たとえば日本でも展開しているハイアールも、その価格に追随するだろう。中国メーカーは海外にも販売網があるため、価格競争の舞台は中国国内だけでなく、世界を巻き込むだろう。日本でもハイアールが、いずれ激安ドラム型洗濯機をリリースするかもしれない。

ブラウン管テレビから液晶テレビへは買い換え後の変化がわかりやすいように、縦型洗濯機からドラム型洗濯機もまた、買い換え後の変化はわかりやすい。従来の洗濯機の価格に数百元プラスすることで、今まで買おうとも手が届かなかったドラム型洗濯機が買えるようになるのだ。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT