中国軍「実戦派トップ」を排除した習近平の暴走。軍の機能不全を承知でイエスマンを並べる"台湾侵攻"の危うい現実

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世界地図 中国
中国の人民解放軍で吹き荒れている「大粛清」は暴走の予兆? 地政学や歴史からリスクを読み解きます(写真:tomcat/PIXTA)
世界最大、200万の兵員を擁する中国の人民解放軍で、前代未聞の「大粛清」が吹き荒れています。実戦経験豊富な軍トップまでもが次々と失脚し、軍最高指導部は習近平氏に絶対忠誠を誓う「イエスマン」のみで固められつつあります。かつてスターリンやプーチン氏が陥った、専門家の助言を失う「裸の王様」への道は、台湾有事においてどのような致命的リスクをもたらすのでしょうか。本稿では『世界を解き明かす 地政学』より一部抜粋のうえ、独裁者の猜疑心が招く軍の機能不全と、暴走の予兆を読み解きます。

軍幹部の大半が失脚

世界最大の200万の兵員を擁する中国の人民解放軍で、大粛清の嵐が吹き荒れています。中国共産党が10月下旬に開いた中央委員会の会議では、参加資格をもつ人民解放軍幹部らのうち6割超が欠席しました。多くは汚職などの疑いで拘束したとみられています。

中国国防省は1月には軍制服組トップの張又俠・中央軍事委員会副主席と劉振立・軍統合参謀部参謀長を「重大な規律・法律違反」の疑いで調査すると公表し、両者の失脚が明らかになりました。

これにより7人いた軍最高指導部の中央軍事委のメンバーは習近平(シー・ジンピン)国家主席を含めて2人しか残らない異常事態となりました。中国は将官の数や処分数の統計を発表していませんが、重要な式典への欠席者数の多さから最高ランクの上将も大半が失脚したとの見方が広がっています。

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