「人間は脳の10%しか使っていない」は本当か 世界的に有名な「あの都市伝説」の起源と真偽

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なぜ「人間は脳の10%しか使っていない」という説が広まっていったのでしょうか(写真:sefa ozel/iStock)
SF映画などでもよく使われ、誰もが一度は聞いたことがある脳に関する都市伝説。残り90%を使い切ることができれば、どれだけのことが可能になるのかと思いを馳せる気持ちもわかるが、現実はそう甘くない。Googleやナイキ、ハーバード大学を法人顧客に持ち、『LIMITLESS 超加速学習――人生を変える学び方の授業』の著者でもある脳トレーナー、ジム・クウィック氏が、この都市伝説の正体を解説する。

都市伝説の起源

人間は脳の10%しか使っていない。

『LIMITLESS 超加速学習――人生を変える「学び方」の授業』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

この迷信を聞いたことがない人は、ほぼいないだろう。学校で初めて聞いた、友人から聞いたという人もいれば、テレビ番組や映画などのメディアを通じて知った人もいる。この迷信は、たいてい、人間の可能性への憧れをかき立てる狙いで使われる。残りの90%を使えたら、僕らにはどれほどのことができるのか?

起源は諸説ある。だが、大半は世論の形成過程で生じているので、おそらく複数の出来事が下敷きになっているのだろう。

ある説では、作家で哲学者のウィリアム・ジェームズの『The Energies of Men(人間のエネルギー)』の一節、「人間は手に入る精神的・身体的資源のごく一部しか使っていない」が起源ではないかとされている。フランスの自然科学者、ピエール・フルーランスの著作を起源とする向きもある。フルーランスは19世紀後半、脳と神経系がどう働き、協同しているのかを発見したことで知られる。

心理学者、カール・ラシュレーの1920年代の学説とも関係しているかもしれない。ラシュレーは、ラットの高次の認知処理をつかさどる大脳皮質の一部を除去したとき、ラットがその状態でもタスクを学習し直せることに気づいた。そこから、「脳はすべての部位を使っているとは限らない」と(誤った)仮説を立てた。

最初期のPET(ポジロトン放出断層撮影法)やfMRI(機能的磁気共鳴画像法)検査のニューロイメージに起源を見る人もいる。画面に点々と明るいシミが現れ、ごく単純な説明――「何かを手に持つと、脳はこんなふうに反応します」――がなされるだけだったからだ。こうした画像は、脳のごく一部を明るく表示するだけのものだったが、素人がそれを見て、「人間の脳は一度にわずかな部分しか使わない」と結論づけてしまったのだ。

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