第一志望校に「行かない人生」その侮れない利点 中学受験「志望校に落ちた親子」が今すべきこと

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そして、実際に第一志望校に落ちたショックから、心が安定に向かうのは5月から7月のことが多いように感じます。中1の夏までには通う学校を“自分の学校”として認識し、新しい生活を楽しんでいけることでしょう。したがって、親は「夏までにはなんとかなる」という感覚でいるといいと思います。

なお、2020年はコロナによる休校が長期間あったため、例年の感覚とは違ったかもしれませんが、2021年は現在のところ、これまで通りの学校生活になることが予定されています。

【繊細で引きずるタイプの子】

このタイプの子は、4月から学校に行くことに強い嫌悪感を持つことや、自分が周囲からどう見られているかを過剰に気にする傾向にあります。三島さんのお子さんはこのタイプの傾向があるようですので、詳しくお伝えしたいと思います。

1)子どもを慰める言葉をかけても効果はほとんどない

慰めの言葉をかけるのは、相手をいたわってのことですが、繊細な子の場合は、「自分は慰められなければならない人間」という誤った受けとめ方をしてしまうこともあります。慰めるよりは普段どおりの対応をすることをお勧めします。

2)親の動揺がいちばん影響を与えるため、親の考え方を変える

今回のご相談の回答として最もお伝えしたいのがこのことです。三島さんは、お子さんよりも親のほうが、やりきれない気持ちを持たれているのではないでしょうか。確かに、これまで頑張ってきた子どもの姿をずっと見てきて、苦難を共にしてきた仲ですから、当然、親のショックも計り知れないことでしょう。しかし、悶々と過ごすその姿が、子どもを追い詰めてしまうのです。

「すべてのことに意味がある」

そこで以下の考え方をお伝えできればと思います。

【考え方】その子に起こっている事態は、すべて意味があると考える

 

今回の三島さんのお子さんのケースでいえば、「第一志望校ではなく、滑り止めの学校に行くほうが実はよかった」と考えてみる、ということです。例えば次のように考えてみてください。

第一志望校は一般的に本人の実力より上の「チャレンジ校」になるため、合格しても学校内で下位層に属することが少なくありません。そうなると、学校に入ってから、かなり頑張らないとついていけない可能性もあります。

仮についていけたとしても、繊細な子は、下位層にいることによる自己肯定感の低下や、周囲との隔絶感が出てしまわないとも限りません。

一方、滑り止めの学校であれば、学力的に比較的余裕がある状態で合格して入っているため、合格者の中では上位層に入っている可能性が高いでしょう。そうなると、上位ゾーンからのスタートで、心に余裕が生まれ、自己肯定感も上がる可能性が高いのです。

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