「コロナが不安」と思う人に知ってほしい解消法

がん患者の心をケアする精神科医からの助言

不安にさいなまれてしまっている人のために(写真:Claudia/PIXTA)
二度目の緊急事態宣言が延長され、先の見通しが立たないコロナ禍の時代が続く。仕事や生活の環境が激変して、生きづらさを感じている人は多い。昨年、自ら命を絶った人は、2万919人。11年ぶりに自殺者が増加した要因として、新型コロナウイルスの影響が指摘されている。
WHO(世界保健機関)によれば、基礎疾患がある人は、新型コロナに感染すると重症化するリスクが高いことがわかっているが、中でも、がん患者の死亡率は、一般の人よりも5倍高いという報告もある。
がんとコロナという、命を脅かす2つの問題を抱える患者と向き合う、精神科医の清水研さん(がん研有明病院・腫瘍精神科部長)に、コロナ禍の不安を生き抜くヒントを聞いた。

二重苦に直面する患者たち

がん研有明病院(東京・江東区)はベッド数686床、国内トップクラスの手術件数を誇り、ほかの病院で治療が難しいケースなども対応する、がん診療の最後の砦ともいえる。同病院にとって、感染症は専門外だが、去年12月に、約40床の病棟を新型コロナ専用にした。それほど東京都内では、新型コロナ対応の病床不足が深刻化していたのである。

──新型コロナへの対応が最優先になり、その弊害が生じていますか。

がんは検診によって早期発見、早期治療することが大原則ですが、これが大きく揺らいでいます。コロナ禍によって、当院でも一時期は、がん検診がストップしましたし(現在は再開)、昨年から、がん検診を受けない人が多くなっています。そうすると、がんの早期発見が遅れて、進行してしまうケースが水面下で起きているはずです。今後、この影響が表面化してくるだろうと、当院の医師たちは危惧しています。

がん研有明病院・腫瘍精神科部長の清水研さん(筆者撮影)

──がん患者に新型コロナが与えている影響については?

治療を優先すべきなのか、コロナの感染リスクがあるから家にいたほうがいいのか、がん患者の心は揺れています。

とくに血液がんの患者や肺がんの患者は、コロナに感染すると重症化リスクが高いと認識しているので、「治療もしなければいけないけれど、病院に来るのも非常に怖い」という声を、第1波のときにたくさん聞きました。

昨年12月、当院にコロナ病棟ができた当初は「がん研に行くと、コロナに感染するのではないか」と誤解された患者もいました。コロナ病棟は100%ゾーニングする(感染リスクのある領域と、非感染領域を明確に区分けすること)など、徹底した感染対策を行っていますので、院内感染は考えられませんが、根拠もなく悪い想像をしたのでしょう。最近は緊張を感じながらも、コロナより、がんの治療や検査を優先する患者が多くなってきました。

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