「コロナが不安」と思う人に知ってほしい解消法 がん患者の心をケアする精神科医からの助言

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ここで、マインドフルネスを実践してみましょう。

ゆっくり腹式呼吸をしてください。

そして、お腹が上下することに意識を向けてください。

次に鼻だけで呼吸してください。

鼻を通る空気の温度が、吸うときと吐くときで違うことを感じられますか?

(筆者は、吐く息のほうが温かいと感じた)

生きている感覚に意識を集中させる

今、やっていただいたのは、ボディスキャンという身体感覚に注意を向けていく、マインドフルネスのひとつの方法ですが、人間には、いろんな感覚がインプットされていることを知っていただくために行いました。人間には五感があって、いろんな感覚に選択的に注意を向けています。その注意が将来のこと=感染するかもしれないコロナに向くと、不安になるはずです。不安が深まると、それに飲み込まれて視野狭窄になってしまいます。

マインドフルネスによって、現在の生きている感覚に意識を集中させると、将来のことを考えなくなり、不安という感覚を俯瞰的に見ることができるようになるでしょう。コロナに対する不安は、漫画の吹き出しみたいなもので、意識すると吹き出しが増えるし、意識しなければ消えていきます。

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──不安を解決しようとしない、というのは意外です。

これは思考停止したほうがいい、という意味ではありません。不確実な世界の中で、合理的な選択をして前に進んでいく。その時、不安は不安のまま、心の中に存在していいのです。

コロナワクチンの接種が始まりますが、「副反応が怖い」という声をよく聞きます。その不安は当然ですし、副反応のリスクは決してゼロにはできません。

大切なのは、ワクチンを接種するリスクと、接種しないでコロナに感染するリスクを天秤にかけて、冷静に選択すること。不安を抱えながら、私たちはこの世界を生きていくしかないのです。

岩澤 倫彦 ジャーナリスト

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いわさわ みちひこ / Michihiko Iwasawa

1966年、北海道・札幌生まれ。ジャーナリスト、ドキュメンタリー作家。報道番組ディレクターとして救急医療、脳死臓器移植などのテーマに携わり、「血液製剤のC型肝炎ウィルス混入」スクープで、新聞協会賞、米・ピーボディ賞。2016年、関西テレビ「ザ・ドキュメント 岐路に立つ胃がん検診」を監督。2020年4月、『やってはいけない、がん治療』(世界文化社)を刊行。近著に『がん「エセ医療」の罠』(文春新書)。

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