さかなクンが語る、漁業の現状

漁獲量が減少する中でお魚とどう向き合うか

昔ですと魚屋さんとか八百屋さんとかそれぞれの小売店がありました。お魚を好きになったのは小学校2~3年生くらいだったんですけど、毎日のようにホウカギョ(放課後)にはお魚屋さんへ行っていました。

小学生のころからお魚をこよなく愛する。豊富な知識を生かしテレビなどで活躍。2006年から東京海洋大学客員准教授。一番好きなお魚は、見た目ならフグ、食べるならカツオ。

すると「この魚は気仙沼からきたんだぞ」とか「刺し身にするとうまい、たたきでもいいぞ」とか生きた情報をくださるんです。しかし、今はとっても便利な世の中になって、お魚もお野菜もお肉も大きなお店で手軽に買えちゃいます。

素晴らしいことですが、でもそれが当たり前になってしまったり、いかに安いものを買うかということばかりに走っちゃったりしますと、お魚を獲っていらっしゃる方々が大変な状況に追い込まれると思うんですね。

大きな量販店でカツオが何百キロ、ウナギがこれぐらい毎日必要ですとなると、生産者の方もそれに合わせて集めなきゃいけないですね。日本の漁獲物だけで足りないと輸入に頼らざるをえなくなり、すると旬がなくなっちゃうわけです。

旬や産地を再認識する

でも本来魚屋さんには、春になると初ガツオが並んで、夏は一時期品薄になって、また秋になると今度は脂のこってりのった戻りガツオが並ぶわけです。カツオには2つの旬があります。でもいまは冷凍したり輸入したりして一年中店頭に並ぶわけですね。旬もよくわからなくなり、自分でさばくことも少なくなってきた。お魚を食べてはいるけれどもお魚から遠くなっていると思うんです。

お魚には旬や産地があり、生産者の方々がいるってことを今一度認識すると「あー、春だから初ガツオが食べたい!」とか「土用丑の日だからウナギ食べよう!」という発想が生まれるのではないでしょうか。一年中ウナギ食べたら、そりゃ減ってしまうと思います。旬のものを食べたいって認識が大きくなれば、お魚を扱っていらっしゃる方々も1年中同じものを並べるのではなく、そのときおいしいものをお届けしようという意識になっていただけると思うんです。

次ページ廃棄されるお魚はおいしい
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • グローバルアイ
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT