さかなクンが語る、漁業の現状 漁獲量が減少する中でお魚とどう向き合うか

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――日本漁業は基本的に“早く獲ったもの勝ち”ですが、船ごとに漁獲量を割り当てるIQ制度(漁獲量個別割当方式)の導入が議論がされています。

すごく良い取り組みだと思います。秋田県の漁師さんが3年間自主禁漁をしてハタハタを守ったという素晴らしい例がございますが、いまは昔と違って科学的なデータがあります。それに基づいた漁業をすれば、後々漁獲量の回復につながると思います!これはぜひともいろんな魚種で全国的にどんどん広がりますように、さかなクンもギョんばります。

漁師さんが努力すればするほど、逆に資源量は減っていきます。努力ってすごく大事なことだと思うんですけれど、海にも漁師さんにも適度にすこし休んでいただきたいなって。漁師さんはすっギョいお仕事されてますからね。

さかなクンが住んでいる千葉の館山のある漁師さんは第1、3土曜日しか休みがないんですよ。休みの日も網とか船が気になるので見に来られたりします。でも適度に休んでいただけたら、またその間に自然が復活する力が大きくなると思うんです。漁師さんに休んでくださいなんて言ったら、めちゃくちゃ怒られそうですけれどね。

――浜によく行かれているとのことですが、漁業者の方たちに対する思いはありますか。

(昔に比べて)物価が上がっているのに、魚価はなかなか上がっていなかったり、逆に下がっている水産物も多いと聞きます。これはぜひとも改善すべきところと思います。獲りに行けば燃料代などかかるので、逆に赤字になっちゃったりする。また、漁業従事者の年齢も上がってきちゃってるんです。すごく大変なお仕事ですが、やっぱり若い方にどんどん後継者になっていただきたいというのもありますね。

ただ悲しいことばかりではなく、関サバのように付加価値を付けた水産物も多くなってきています。どれだけおいしいのか、見合った魚価がつけられるのはすごく素晴らしいと思います。

週刊東洋経済6月28日号(23日発売)の第2特集では「瀬戸際の水産資源」を掲載しています。

(撮影:梅谷秀司)

田野 真由佳 東洋経済 記者

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たの まゆか / Mayuka Tano

2009年に大学を卒業後、時事通信社を経て東洋経済新報社に入社。小売りや食品業界を担当し、現在は会社四季報編集部に所属。幼児を育てながら時短勤務中。

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