カルロス・ゴーン・ルノー会長兼日産自動車社長、日本メディアとの質疑応答・一挙掲載【ルノー日産・ダイムラー提携会見(4)】
仏ルノーと独ダイムラーは2010年4月7日、戦略的協力に合意した。同時に、株式の交換による相互出資を発表した。ルノー・日産アライアンス(以下ルノー日産)がダイムラー株を3.1%、ダイムラーがルノー株及び日産株を3.1%保有する。
ルノー会長兼日産自動車CEOのカルロス・ゴーン氏はダイムラーと共同会見を終えた7日昼(日本時間7日夜)、ベルギー・ブリュッセルで日本メディアとインターネットを通じて会見を行った。その内容を全掲載する。
--今回のアライアンスが成功する可能性は。
これはアライアンスと呼ぶべきではない。なぜなら、アライアンスではないからだ。アライアンスはルノー日産の関係のみを指す。相互出資の比率も高く、人材交流も多い。日産ルノーの協力関係は、ダイムラーと比べてさらに深い。
ダイムラーとの戦略的協力関係は、アライアンスより少しレベルが低いものだが、単なる協力関係よりもう少し上のものだ。普通の協力関係とは特定のエンジンや商品、国で限定的に協力するというもので、相互出資も行わない。一方で、アライアンスはさまざまな項目で協力するということ。
ダイムラーとの戦略的なパートナーシップには自信がある。なぜなら、ルノーであれ日産であれ、競合していないからだ。補完性がある。全く異なるものだ。
おそらくダイムラーはもっともグローバルな企業の1つだ。ドイツメーカーの中で、心構えとしてもっともグローバルだと思う。常に透明性があり、オープンマインドだ。担当しているチームも前向きに交渉にあたっているし、ダイムラーの姿勢に感銘を受けている。
特定のプロジェクトから手始めにやっていく。協力関係は原理原則から始めるのではなく、特定のプロジェクトが先にある。次世代「スマート」の協業、特定のパワートレインの共用化、小型商用車の協業・・・。さらに今後、電気自動車(EV)で協業したり、インフィニティで協業したり、あるいは、ベンチマーク活動、ベストプラクティスの共有化なども検討していく。
--交渉の経緯を教えて欲しい。どちらから持ちかけたのか。また、包括的な提携ではないということで、米ゼネラル・モーターズ(GM)や他社との話は続いているということだが、このような小規模な株式の持ち合いを含めた戦略的提携は他社とも考えるのか。
交渉が始まったのは1年前だ。ダイムラーが、ルノーにアプローチしてきた。協力の可能性があるかどうか、というアプローチだ。スマートをモデルチェンジする際に協力の可能性があるか、という話だった。ルノー「トゥインゴ」の将来、スマートの将来、そこから話が始まった。その後、日産もテーブルにつくようになった。
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