カルロス・ゴーン・ルノー会長兼日産自動車社長、日本メディアとの質疑応答・一挙掲載【ルノー日産・ダイムラー提携会見(4)】
この提携は、他社と話をする上において障壁にはならない。ルノー日産が別の自動車メーカーに出資をする可能性もある。制約はまったくない。紳士協定だから、やっていることをお互いに共有することはあるかもしれないが。ダイムラーは、このアライアンスをもっと大きなものに変貌させ、スケールメリットを享受したい、というわれわれの意図を理解している。
--米国市場にはどのような影響を与えるか。特に高級車「インフィニティ」にどのような影響があるか。また、電気自動車ではどのような影響があるのか。
米国に関わる領域は、第一段階の協業領域には入っていない。
第一段階では、主として欧州を中心に考えている。米国についても、さまざまな可能性は考えられる。インフィニティの1部の車種はベンツのパワートレインやエンジンを使う可能性がある。相互生産の可能性がある。日産は小型商用車の工場をミシシッピ州に確保しているので、ダイムラーで使ってもらう可能性もあるし、アラバマにあるダイムラーの工場を日産が使う可能性もある。どちらかといえばこれは乗用車向けになると思う。
最終的には、一部、共同購買を行う可能性もある。電気自動車についての協業は、バッテリーやモーター、インバーターが主となるだろう。
--日本市場への影響は。電気自動車の開発への影響はどうか。
今回の合意は、日本の市場にはあまり影響はない。少なくとも日本の消費者の目からみれば大きな変化はない。電気自動車に関してだが、われわれはスケールを求めている。事実、ダイムラーがわれわれと一緒にやっていくのはとてもいいニュースだ。
ダイムラーは継続的に電気自動車をやってきており、われわれの戦略とも合致する。彼らが関心を持っているのは、われわれのバッテリー技術、パフォーマンスなどだ。彼ら自身もバッテリーの開発をしているので交流できるだろう。電気モーターを選ぶということがある。われわれの自動車用に、そのときに、できれば共用することができればいい。コストが下がる。投資のレベルが下がり、スピードが上がるだろう。
--今回の契約には、ルノー日産が生産する電気自動車およびバッテリーをダイムラーに供給するという項目が入っていない。近く世界で50万基のバッテリー生産能力を持つルノー日産にとって、この項目は必須だったと思う。なぜ入れなかったのか。
初期のプロジェクトには入っていないだけだ。特定のプロジェクトごとに、今後契約を交わしていく。電気自動車のプロジェクトがまだ入っていないのは、もっと検討が必要だからだ。とはいっても、最終的には契約の中に入るだろう。最終確定していないというだけのことだ。
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