騙されやすい人は「相関と因果」をわかってない

科学的思考を身につけることの重要な意義

人はなぜ科学的思考を身につけておいたほうがいいのでしょうか?(写真:metamorworks/PIXTA)
世界的な生命科学者であり、ノーベル賞受賞者の共同研究者でもある吉森保先生。その吉森先生が、生命科学の基礎から最先端までをわかりやすく解説した著書が『LIFE SCIENCE 長生きせざるをえない時代の生命科学講義』だ。なぜ科学的思考を身につけておいたほうがいいのか、本書より一部抜粋してご紹介する。

「科学的思考」はこれからの時代に欠かせない

科学というものを考えるときに、すべてのベースとなるのが「科学的思考」です。これをぜひ身につけてみることをおすすめします。

研究者がどういうふうにものを考えているのかを知れば、生命科学のことが理解しやすくなるのはもちろん、もう1つ、自分が行動するうえで、正しい判断基準もしやすくなります。簡単にいうと、数字に騙されなくなり、怪しい情報に気づいたりできるようになるのです。

「生命科学」は、「病気」を知るのにとても大切な学問です。人類の敵とはなんでしょうか。現在、人類を滅亡させるような天敵はいません。食料難も、人類全体ではまだ深刻ではありません。昔も今も人類最大の敵は、病気です。人類が今生き残っているのは、医学、広い意味で生命科学のおかげです。

抗生物質をアレクサンダー・フレミング博士が発見したのは1928年です。これが普及したのは第二次世界大戦頃です。それまでは感染症で人がバタバタ亡くなっていました。細菌の恐怖に日々怯えていたわけです。たった90年ほど前の話です。

WHO(世界保健機関)が天然痘を撲滅したと宣言したのは1980年です。天然痘は歴史の教科書にも出てきますので知っている人もいるのではないでしょうか。伝染力が非常に強く死に至る疫病で、紀元前より存在しました。私たちは、それとずっと戦ってきて、根絶されたのがわずか40年前です。ルイ15世も、孝明天皇も天然痘で亡くなったとの記録があります。

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