異色の経歴で昆虫界を盛り上げる男の仕事観 餌を運ぶ「働きアリ」に自分の姿を重ねていた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
岡本太郎賞を受賞した「じゅえき太郎」氏が、これまでの人生を語ります(撮影:尾形文繁)
ゆるいタッチと独特の世界観で、SNS総フォロワー数30万人にものぼる大人気イラストレーターのじゅえき太郎氏。著書『正直、仕事のこと考えると憂鬱すぎて眠れない。』がいま大好評だ。
ビジネスパーソンが日々感じているあるあるな悩みを、クスッと笑える4コマで表現しつつ、心を少しでも軽くするための解決策が、軽妙な言葉でつづられた1冊。
「ほぼほぼ僕の実体験です」――働きアリのように早朝から深夜まで働きながら画家を目指した日々や、岡本太郎現代芸術賞入選までのいきさつ、作品の制作過程などについて語った。

朝から晩まで働きづめ過酷な新卒時代

僕はずっと絵が好きで、漫画家やイラストレーターに憧れを抱いて大学で絵を勉強していました。10代の頃は、憧れのイラストレーターさんのサイン会に並んで自分の作品を見てもらったり、出版社や美術館に作品を送ったり、芸大の先生のもとへ足を運んだりして、どうすればもっとよくなるのかアドバイスを求めていました。

『正直、仕事のこと考えると憂鬱すぎて眠れない。』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

美術館の学芸員の方に「草間彌生さんの絵は飾られているけど、僕みたいな平民の絵はどうすれば飾られますか?」と質問したこともあります。「わからない」と言われましたけど(苦笑)。とにかく、やれると思ったことは全部やってみるという感じです。

ただ、いきなりフリーランスのイラストレーターを目指すのは危険だと周囲から言われていましたし、僕自身、もともと真面目で、収入が安定していなければダメだと考えていましたから、ハードルが高くてちょっと無理かもしれないなと思っていました。

そこで、卒業後はまず朝方の職場で働くことを選びました。朝6時から働けば、夜は絵を描く時間ができるかもしれないと思ったのです。

ところが、仕事はとても過酷で、現実は毎日早朝から夜遅くまで働きづめという世界でした。自分のノルマが決まっており、それをクリアするためには夕方に帰るなど夢のまた夢だったのです。

次ページ「働きアリ」は、まさに僕自身の実体験を重ねたもの
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事