しかし、残念ながら、これらの対策をとっても解決は難しいでしょう。よくある勘違いの1つに「塾に入れれば学力は上がる」というものがあります。もちろん上がる場合もありますが、基本的には子ども自身が勉強したから学力が上がるのであって、塾に行くことで上がるものではないのです。いずれにしてもこれらの対策は「学力が上がらないという表面的現象に対して取った対策」であるため、解決は難しいのです。
確かに、学力が低迷している表面的な理由は、勉強しないことが原因ですが、なぜ勉強をしないのかという、さらに一歩進めた本質的原因を考えなければなりません。その本質的原因を見いだし、それに手を打つと解決する方向へと進むのです。
勉強しない7つの本質的な要因
そこで、次のように深掘りをしてみます。
「子どもの学力が上がらないのはなぜ」→「勉強しないから」
「ではなぜそんなに勉強をしないでしょうか」→「?」
すると次のような本質的な要因に突き当たるはずです。筆者は大きく分けて7つあると考えています。
→例えば、過去、算数の計算が遅かったときに、先生から「のろいね」と言われたケース。それが心に残り、そこから算数そのものに嫌悪感を持ち、さらに勉強全体に嫌悪感が広がるということがあります。大人の何気ない一言が、子どもの純真な心に“アンカー”を落としてしまうことはよくあります。この場合、そのアンカーを抜かなければ、いくら勉強しなさいとアクセルを踏ませても、心はブレーキを踏んでいるので、勉強をいくらしても伸びません。
→多くの子どもたちは勉強の仕方自体を教わっておらず、そもそもスタートラインに立っていない可能性があります。このような子に勉強をさせると、間違ったやり方や非生産的なやり方をしてしまい、「勉強しても伸びない」ことを経験するだけになり、やがて勉強から心が離れていきます。このような子にはまずは勉強の方法を教えてあげる必要があります。
→ゲーム、スマホがその代表です。近年のそれらは高度にひきつけられるように仕掛けられていて、多くの大人も魅了されています。しかし特別な場合を除き、これらを遠ざけたり禁止しても、反発を招くことは火を見るより明らかです。それよりも、それらと共存しつつ、一定のルールの中で自由に行わせながら、子どもの自律レベルを上げていくほうが合理的でしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら