今度こそ「さっさと」仕事を終わらせる技術 結果を出すためにも、効率仕事力
「数年間追記し続けることで、同様の案件が発生したときに、前回の期間の実績や注意点を再利用できます」
仕事の効率化に詳しい知的生産研究家の永田豊志さんは、時間配分の考え方の一つとして、「特に緊急ではないが重要なもの」をいかに毎日の時間割りに落とし込んでいくかが大切と説く。例えば将来に向けた勉強や起こりうる障害に対する予防だ。
「時間が余ったらやろうと考えていたら、時間なんて絶対に余らない。自分の人生の目的に向けた準備、勉強、旅行の計画、思考する時間を確保するために、自分で自分にアポを取るんです」
平積み書類が提案のもと
数十人の営業マンの机が並ぶ部屋の窓側の列に、プルデンシャル生命保険で営業所長を務める柳田優木さん(33)のやや広めのブースがある。
社内で業務改善の提案数の多さで知られる柳田さんだが、机での書類の整理は、意外にも平積みOK。数々の提案のもとになるのは、「もしかしたら役に立つかもしれない案件」の資料の平積みからだ。
仕事の合間に未処理資料をぱらぱらとみて、業務後「パンドラの箱」と呼ぶ机のひとつの引き出しに、クリアファイルごと平積みに。インターネット上で気になった情報もすべてA4用紙に印刷して1案件ずつクリアファイルに入れ、「パンドラの箱」へ。
毎週月曜と木曜の夜、この資料を棚卸しして、使えるものがないか確認する。あるものはミーティング用の資料入れのボックスへ、あるものは部下に渡す資料へと姿を変える。
「最近は、紙の資料をクラウド化したり、ネット情報はお気に入りに登録したりと、いろいろ方法がある。でも自分にとっては、いったんすべての情報を同じ状態に一元化して、その中から情報を選別し、決まった場所に振り分けて保管したほうが頭の整理がつくんです」
事務効率化コンサルタントのオダギリ展子さんは、机上に書類が散乱していて整理がつかない場合、まず「自分が管理しているモノ、抱えているモノの量を減らしてみてください」と話す。業務中に机の整理をするのは周囲の目も気になるため、区割り・2段階での整理を提案する。
「まず机の右側、左側、1段目の引き出し、机の下というふうにデスク周りを7カ所に分けて、場所ごとに置かないモノを整理。次に空いたスペースを整頓、の順で。できる時にできる範囲で」
仲間の集合知で思考を時短
グーグルの坂本奈央さん(25)は、企業向けアプリケーション「グーグルアップス」などのセールスを担当している。中小企業が集まるセミナーでサービス説明をし、代理店と一緒にサービスの導入を企業に提案することもある。
仕事は高密度。それでも、勤務時間は一日平均7~8時間。社内外のコミュニケーションはGmailが基本だ。仕事の効率化のために坂本さんがやっているのは、「読んだら、メールにラベルをつけて分類すること」だという。