ベンチャー有識者会議とりまとめは、「ベンチャー宣言」から始まります。
ベンチャーとは、起業にとどまらず、既存大企業の改革も含めた企業としての新しい取り組みへの挑戦である。
従前のベンチャー政策が起業して間もない狭義のベンチャーに焦点が当てられていたのに対し、大企業、中堅・中小企業も含めた新規事業の挑戦としてベンチャーを再定義し、社会的な意識改革・起業家教育の強化も含めたより幅広い視点での施策の必要性を提言した点に、大きな特徴があります。
ベンチャーが直面している課題
そのうえで、報告書は、日本のベンチャーが直面している課題について次のように整理しています。
日本では起業や新事業の取り組みに挑戦する人の絶対数が少ない。開業率は欧米の半分で、起業が職業の選択肢となっていない。新しい事業での成功者を社会全体として正当に評価できていない
日本では中長期でリスクをとるベンチャーキャピタル等の資金供給が少ない(対GDP比で米国の7分の1、韓国の半分)。リスクをとり、経営にコミットして大きく成長するベンチャーを育てるキャピタリストが少ない
国内市場がある程度の規模があるので、小さくまとまるビジネスモデルも多い。世界市場を狙うベンチャーの増加、グローバルな視座を持った人材の育成、世界のトップレベルの人材の獲得が必要
大企業が自前主義から抜けきれていない。ベンチャーからの調達、事業提携、M&Aが低調。大企業内部からの新事業開発の仕組みづくりや評価システムが不十分
IT系の小資本・機動性重視のベンチャーは関東圏を中心に増加してきているが、リスクが高く、成長に時間のかかる技術開発型ベンチャーや、地域から伸びるベンチャーは活性化していない
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