学校での「起業家教育」に必要なものとは? 「起業」を職業の選択肢に入れよう

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品川女学院の特別授業に参加したフィル・リービンCEO(撮影:梅谷秀司)

成長戦略に掲げられた企業の開業率倍増の目標を達成するためには、現に起業をしようとする人の支援だけでなく、将来の起業家へのアプローチが必要です。また、大企業を含めて経済活力を向上するためには、「自ら課題を見つけ、学び、行動する」起業家精神を持った人材の育成が基礎となります。

6月に公表した成長戦略改訂版では「国民意識の改革と起業家教育」が政策項目となり、小中学校、高校からの起業家教育を推進するため、教員用指導事例の作成・普及等の施策を講ずることになっています。

本稿では、起業家精神を持つ人材を育成し、起業家(企業内起業家を含む)の裾野を広げる起業家教育の取組みについて説明します。

品川女子学院のケース(6月27日)
「やりたいことを出来る場所がなかったから自分で創った」――まず、ゲストスピーカーであるザ・アール奥谷禮子氏の起業体験談を聞く。この話を受けてクラスを3~4人のグループに分けてのディスカッション。テーマは「リーダーシップ」。生徒は次々とアイデアを付箋に書き込み、机に並べる。「行動する人」「コンセンサスを得る」「人を巻き込む魅力、信念」「スティーブ・ジョブス?フィルは?漆校長先生はリーダーだ!」そして、まとまった意見をもとにグループ代表がクラス全体に向けて堂々とプレゼンテーションを行う。

これは、品川女子学院が新経済連盟と連携して実施した特別授業の様子です。品川女子学院は、少子化という逆風の中で生徒数のV字復活を見事に果たした名門校で、食品メーカー等とのコラボなど企業との連携による体験学習が有名ですが、今、起業マインドを持つ女性リーダーの育成に力を入れています。

5月には米国の成長ベンチャーEvernoteのフィル・リービンCEOを講演に招いてディスカッションしたり、毎年秋には文化祭での模擬店を起業体験とするプログラムを実施したりしています。2014年度からは文部科学省のスーパーグローバルハイスクールの指定を受けて実践的な教育プログラムの強化をしています。

漆紫穂子校長は「やる気スイッチを入れることが大事」と語り、起業マインドの醸成を通じて校訓にある「能動的に人生を創る日本女性」の育成をしています。

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