GPIF改革、本当にこれでいいの? 日本株の運用比率を見直すだけではダメ

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渋澤 何しろ129兆円もの運用資産を持っているからね。その運用比率を見直すとなると、マーケットに及ぼす影響も大きい。

中野 今、市場が注目しているのは、国内株式の運用比率をどこまで引き上げるか、ということですよね。確か、今は17%?

大事なのは、運用比率ではなく、中身

渋澤 基本ポートフォリオは国内債券60%、国内株式12%、外国債券11%、外国株式12%、短期金融資産5%ということなのだけど、昨年末は国内債が55.2%に低下する一方、国内株式は17.2%まで上昇しました。

中野 で、国内株式の運用比率を20%まで引き上げるという議論が行われているわけですね。

渋澤 まあ、基本ポートフォリオ上、国内株式の運用比率は12%なんですが、アベノミクスで日本株が上昇したじゃないですか。それによって国内株式の評価額が上がって、運用比率が17.2%になった。本来なら、これを基本ポートフォリオに戻すため、12%になるまで売らなきゃならない。でも、売りたくないんだよね。リバランスのためとはいえ、売れば株価にとってマイナスだから。そうであれば、いっそのこと国内株式の運用比率を引き上げちゃえ、ということでしょう。

中野 なるほど。

渋澤でも、本当に大事なのは、ポートフォリオの中身ですよ。だから、ROEを重視して構成銘柄を決める、JPX日経インデックス400という新しい指数も公表するようになったわけです。

中野 JPX日経インデックス400は、GPIFの日本株運用のベンチマークに採用されましたからね。

藤野 まあ、仮に国内株式の運用比率を引き上げたとしても、株価的にはじわ~っと効いてくる程度でしょう。これで株価がポーンと跳ね上がったりしたら、それは単に運用比率の引き上げが相場材料になっているだけです。

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