中野 私なら海外に持っていきますね。長期的な資産防衛という側面を考えると、万が一、日本が沈んだとしても国民の財産を守れるところに、資産を配分します。
藤野 私は、まず世界株式の比率を引き上げますね。かつ新興国株式も入れるようにします。それとともに、日本株に関しては、東証1部だけでなく、2部もジャスダックも、マザーズもすべてを入れた「オールジャパンインデックス」を作って、それを投資対象にします。日本の新興市場も含めたインデックスを作れば、TOPIXよりも高いリターンは期待できるでしょう。それと共に、日本の新興市場に厚みを持たせることもできます。
1%はベンチャー企業への投資に
渋澤 僕は129兆円の1%を、流動性のないベンチャー企業に投資するなあ。それもグローバルにね。もちろん、大半の企業は途中で脱落していくかも知れないけれども、1銘柄でも成功すれば、大きなリターンが期待できます。それと共に、この手のベンチャー企業というのは、資金調達に苦しんでいるけれども、最も長期マネーを必要としているじゃないですか。そこに運用資金の1%である1.3兆円の資金を、10年くらいのタームで入れてあげるのです。それは企業に対して成長機会を提供するきっかけにもなります。
中野 それによって新しい産業が生まれれば素晴らしいですよね。だったら、1%じゃなくてもいいじゃないですか。
藤野 いやいや、まずは1%で十分でしょう。
渋澤 いずれにしても、GPIF改革は単に運用比率の見直しではなく、運用の中身に言及した議論にしてもらいたいですね。
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