GPIF改革、本当にこれでいいの? 日本株の運用比率を見直すだけではダメ

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中野 私なら海外に持っていきますね。長期的な資産防衛という側面を考えると、万が一、日本が沈んだとしても国民の財産を守れるところに、資産を配分します。

藤野 私は、まず世界株式の比率を引き上げますね。かつ新興国株式も入れるようにします。それとともに、日本株に関しては、東証1部だけでなく、2部もジャスダックも、マザーズもすべてを入れた「オールジャパンインデックス」を作って、それを投資対象にします。日本の新興市場も含めたインデックスを作れば、TOPIXよりも高いリターンは期待できるでしょう。それと共に、日本の新興市場に厚みを持たせることもできます。

1%はベンチャー企業への投資に

個人投資家にコツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めている(セゾン投信社長中野晴啓さん(左)、コモンズ投信会長渋澤健さん(中)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(右)

渋澤 僕は129兆円の1%を、流動性のないベンチャー企業に投資するなあ。それもグローバルにね。もちろん、大半の企業は途中で脱落していくかも知れないけれども、1銘柄でも成功すれば、大きなリターンが期待できます。それと共に、この手のベンチャー企業というのは、資金調達に苦しんでいるけれども、最も長期マネーを必要としているじゃないですか。そこに運用資金の1%である1.3兆円の資金を、10年くらいのタームで入れてあげるのです。それは企業に対して成長機会を提供するきっかけにもなります。

中野 それによって新しい産業が生まれれば素晴らしいですよね。だったら、1%じゃなくてもいいじゃないですか。

藤野 いやいや、まずは1%で十分でしょう。

渋澤 いずれにしても、GPIF改革は単に運用比率の見直しではなく、運用の中身に言及した議論にしてもらいたいですね。

草食投資隊 渋澤 健、中野晴啓、藤野英人

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そうしょくとうしたい

コモンズ投信会長・渋澤 健、セゾン投信社長・中野晴啓、レオス・キャピタルワークス社長CIOの藤野英人の3氏で結成。根底には、「長期投資を根づかせたい」という3人の熱い思いがある。「草食投資隊」という名前は、投資=肉食系というイメージが一見つきまとうが、本質は違うのではないか、という3人の共通の考えによる。

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