藤野 アクティブ運用って、教科書的にはベンチマークよりも高いリスクを取って、高いリターンを目指すって言われていますけど、別にそっちにならなければならないという理由は、どこにもないんですよ。逆に、ベンチマークよりもリターンは低いけれども、リスクも低いというアクティブ運用があっても良いわけじゃないですか。私なりにアクティブ運用を定義すると、ベンチマークを上回るリターンを目指すのではなくて、リスクをコントロールできる運用ということになります。
中野 意図的に、インデックスに対して負ける運用というのがあっても良いということでしょうね。
渋澤 もしGPIFが129兆円のうち20%を国内株に投資するとなると、投資金額は約26兆円。これをすべてアクティブ運用にするのは困難という議論があるけれども、だからといってすべてをパッシブ運用にする必要はどこにもないでしょう。現場レベルでは、集中投資に関心を示しているGPIFの人たちもいますし。
中野 とはいえ、長期投資マネーにフォーカスしてきたのは、アベノミクスの大きな成果のひとつだとは思います。年金資金って、究極の長期投資マネーですからね。それを成長に活かせれば、素晴らしいことだと思いますよ。
藤野 GPIF改革はNISAと連動していると見ることもできますよね。要は、もっとおカネを働きに出しましょうということですから。そこに、政権なり、国なりが意識して動いていますよということですね。
渋澤 それにしても、もし草食がGPIFの運用をするとしたら?
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