写真下手に知ってほしい「映える撮り方」超基本 SNSで「いいね!」が集まりやすくする技法

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「見上げ(あおり)」は、被写体に近づいてパースを感じるくらいに見上げる視点になります。

見上げアングルの撮り方の例(画像:shutterstock)

この構図のよいところはなんと言っても迫力を演出できるとこと。また、車や商品にかかわらず、見る人から被写体が上にある想定なので、神々しさ、あるいは威厳を表現することが可能です。

人が視線を上げて物を見ること自体、太陽や星を見上げる、空を見上げる、などのように「前向きな」心情をもたらす効果も期待できます。車のような趣味嗜好にかかわるものであれば、「イケイケ感」「インパクト」などの演出などにも向いています。

真俯瞰よりも斜俯瞰よりも、さらに高く引いた目線のことを「鳥瞰図」(ちょうかんず)と言います。鳥の視界に当たり、最近では、ドローン映像などがこれに当たります。広く見渡せることや、一気に世界が広がることなどから、開放感やスケール感の演出に向いています。

ただし、自然豊かな山林風景であっても、規模感のある都市部でも写真本来の独特な世界の切り取り的な部分は薄まり、いわゆる「ドローン映像」になってしまうことは否めません。

都市の特徴をアピールしたい絵を撮りたいときには、地上からのアングルを織り交ぜた方が効果的になります。

対等な関係を訴求する真正面のアングル

真正面のアングルは、スムージーや野菜ジュースのようなナチュラルテイストの食品や、無添加の化粧品ラインナップなどでよく見かけるアングルです。

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食品のパッケージであれば、車や家電ほど複雑な形状をしておらず、パッケージの顔(フェイス)を見せること、全体の印象をよく見せることが重要になります。

このとき、被写体とカメラの角度は平行で、商品の正面が見える絵になりますが、そこには「被写体と目撃者の対等な立場」という関係性や、あるいは、肩肘張らないナチュラルなライフスタイルなども訴求されます。

最近の傾向としては、とくに若い世代を中心になるべくニュートラルでフレンドリーな雰囲気が好まれる傾向もあります。そのあたりの世代感覚をおさえるとともに、真正面のアングルを意識してみるといいかもしれません。

ウジ トモコ 戦略デザインコンサルタント、アートディレクター

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Tomoko Uji

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、広告代理店および制作会社にて三菱電機、日清食品、服部セイコーなど大手企業のクリエイティブを担当。1994年ウジパブリシティー設立。デザインを経営戦略としてとらえ、採用、販促、ブランディングなどで飛躍的な効果を上げる「視覚マーケティング」の提唱者でもある。ノンデザイナー向けデザインセミナーも多数開催。「かごしまデザインアワード」審査員。「やまぐちハイスクールブランドプロジェクト」チーフディレクター。現在、島おこし(地方創生)プロジェクト参画を機に、壱岐島と東京の二拠点で活躍。著書に『デザイン力の基本』(日本実業出版社)など多数。

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