「ダイバーシティーの時代に女子だけなんて」という指摘もありそうな女子大学。文学部が中心の良妻賢母型から脱皮できず地盤沈下が進む女子大と、実社会に役立つ教育に舵を切り急成長の女子大との格差が鮮明になってきた。時代の要請に合わせて総合大学となり、志願者数、偏差値、実就職率を飛躍的に向上させている3つの女子大を訪ねた。いずれも女子に特化していることで、社会の即戦力となる教育ができる環境を強みとしている。
地域とともに歩む安田女子大
広島市安佐南区にキャンパスを置く安田女子大学では、2020年11月、学内のラーニングコモンズの一環で、現代ビジネス学科のマーケティング戦略ゼミの活動報告会を行っていた。森英恵がデザインした大学の制服を身にまとった3年生のゼミ生たちが相次いでプレゼンテーションに臨む。
同ゼミは、広島市を拠点に演劇を通じて地域活性を行っている劇団の活動に参加し、コロナ禍にあってもオンラインで作品を発信するために、どのようにすればよいかを研究のテーマにしていた。フィールドワークの成果や、劇団の広報誌「だるまだより」を創って発行した事などを発表。客席に集まった学生、教員だけでなく、活動に協力した外部の有識者からも温かい拍手が沸き起こった。
「地域や企業と連携して、社会人基礎力やチームビルディング力を向上させたい。学生が充実感を持って楽しく学び、幅広い教養と豊かな専門知識を修得できる教育を実践し続けることで、社会および地域社会の発展につながる」と担当教員は話す。
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