地域や企業とのコラボレーションにも積極的だ。健康・スポーツ科学部ではアスリートのための化粧品、屋外でスポーツをする子ども向けのサングラスなどの開発にメーカーと共同着手、さまざまな視点からマネジメントを学ぶ体制を整えている。
武庫川女子大は1949年開学、母体となる武庫川学院は1939年の創設から80年をこえ「財務状況の非常に良い大学」(大手銀行担当者)としても知られている。
ルーツは創設者の公江喜市郎が1930年代に英国を視察し、名門イートン校などの教育に感銘を受けたことに遡る。「若い学生たちが将来、国を背負って立つ気概を持って勉学に励んでいた様子に感動。日本なら女性の教育を通じ、子育てで『国を支える』理想を持つ人間を育てるほうが、男子1人を鍛えるより効果が大きいと考えたそうです」と山﨑副学長は大学の特長を語る。
2020年4月には満を持して経営学部を設置した。他の女子大が近年、相次いでビジネス系の学部を創設したのに対し、武庫川女子の動きは遅いようにも見える。だがあえて「経営学部」と銘打ったのには、それなりの意味がある。
女性を取り巻く環境は、良妻賢母の時代から、男女共同参画の機運が生まれるようになり、最近では「女性リーダーが出て当たり前」という風潮や考え方が出てきた。
「菅内閣の顔ぶれを見ると女性閣僚が少ない。その一方でニュージーランドには女性首相がいる。女性活躍の時代に柔軟に対応し、国を引っ張れるような女性を育てるためにも、女子に特化した教育が必要。男子は殻を破らなくてもすんなり進める。でも女子は中から自分の殻を破る力を身につけさせ、外から殻をつついて支援する、禅の『啐啄同時』の教育が必要になってくる」(山﨑副学長)。
昭和女子大は経営人材の育成に注力
東京都世田谷区の昭和女子大学は1920年創立、2007年に学長に就任した坂東真理子氏(現理事長・総長)のもと、6学部14学科を擁する総合大学となった。
2019年8月には、米ペンシルベニア州立テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)を誘致、日米のキャンパスを同一敷地内に置くのは国内初で、日米両方の大学の卒業資格を得られる「SWU-TUJダブルディグリー・プログラム」も2018年度に開始した。コロナ禍で思うような国際交流プログラムが行えないが、アメリカ流の学び方に刺激を受ける学生も多いという。
さらに2021年度に開設されるのが、オンラインも活用した、社会人対象の1年制大学院2つの新設だ。
保育・福祉マネジメント大学院と消費経営大学院の2種類で、いずれも男女共学、平日夜間と土曜日に開校し、オンライン授業を併用する。医療や福祉、保育に携わる社会人が対象で、目標は「経営に関する視野を持つリーダーの育成」だ。
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